専門業者だけでなく観光客でにぎわう「築地市場」は、年末はさらに歩けないほどの大混雑。だが、12月27日(日) は臨時開市日だから、混雑も少し和らぐ狙い目だ。都内の寿司店や築地の丼専門店などに卵焼きを卸す、築地の卵焼店「丸武」の店主・アニー伊藤さんによると、「この時期築地で食べ納めるなら、そりゃ鉄火丼だよ」と言う。
マグロといえば一年中が“旬”というイメージだが、マグロの中でも最高級品として扱われる「本マグロ」は、まさに12月からが最高においしい時期だ。一般的な鉄火丼に使われるマグロの部位は大きく分けて3つある。香りと甘味の両方を合わせ持つのは「赤身」。トロから赤身までの味のグラデーションが楽しめるのが「中トロ」。舌でとろけるような「大トロ」は、特に天然本マグロは濃厚な甘みが残るようなくどさがなく、食べやすい。
築地の寿司店で働いているアイドルの芹沢那菜さんにも加わり、仲卸直営店、もしくはグループ会社が仲卸をやっている丼専門店や寿司店の中から、築地市場の場内&場外にあるおすすめの鉄火丼を厳選してもらった。
アニーさんは、マグロ専門の卸問屋「恵水産」をおすすめ。「“これぞマグロ”という力強い味わいがクセになる」と唸る。また、今年の6月にオープンした寿司店「つきぢかくれ家 彦兵衛」は、アニーさんは毎日通うほどのファン。一匹丸ごと仕入れる天然本マグロが「赤身でさえねっとりと至福の味わい」なのだとか。
一方、芹沢さんが「大トロはたっぷり脂がのって、まるで霜降り和牛!」と言うのが「つきじ喜代村 まぐろざんまい」。「本鮪とろ丼」でさえ1500円というコストパフォーマンスも魅力だ。また天然本マグロを使った特上鉄火丼がおすすめなのが「つきじ鈴冨 すし富」だ。「大トロは口に入れた瞬間トロけます!」。
まさにマグロ天国の築地市場。水産部門だけで1日約2000トン、金額にして約17億円もの取引がなされる世界最大の市場で旬を迎えた絶品鉄火丼で食べ納めれば、09年に“食い”はなし!? 年内の営業は30日(水)までなので、ぜひ足を運ぼう。【詳細は東京ウォーカー12/21発売号に掲載】