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今回取り上げるのは、子ども向けの『髪付き医療用帽子』製品化への取り組みについて。福岡市で大人用ウィッグの企画販売を行っているびしゅく株式会社が、抗がん剤治療中や脱毛症の子どもたちのために髪付き医療用帽子を作るプロジェクトを始動。2024年2月29日(木)までクラウドファンディングを実施している。その経緯などについて、担当者に話を聞いた。
――子ども向けの医療用帽子を作ろうと思われたきっかけを教えてください。
近所の子どもが、抜毛症(美容目的以外で自分の体毛を自分で抜いてしまう病気)であると知ったこと、同じタイミングで身近な人が癌になったことがきっかけです。また、「円形脱毛症を発症する割合の4分の1が子どもである」という事実を知ったことも、大人用ウィッグのみの企画販売を行っていた弊社にとって驚くべきことでした。これらの事実を知り、今までの商品開発の経験を活かし、何かできることはないか模索しました。
――実現に向けて、苦労した点はありますか?
抗がん剤治療中による脱毛、円形脱毛症、抜毛症といったヘアロスに悩む子どもたちの頭皮はとてもデリケートで、僅かな刺激にも敏感です。装着時の締め付けによるストレスの軽減、肌の負担にならない素材、子どもが自分で被れるようにするなど工夫をしました。そしてたどり着いたのが、日本製の『髪付き医療用帽子』でした。
――今回のクラウドファンディングについて、その狙いは?
弊社の(大人向け)ウィッグ商品はすべてミャンマー製ですが、子ども向けに日本製の髪付き医療用帽子を作るには資金が足りません。それでも製品化を諦めきれず、初のクラウドファンディングへの挑戦に至りました。
――ユーザーへメッセージをお願いします。
小さい体で髪の不安を抱え友達との違いに苦しんでいる、周りの外見に対する視線に強いストレスを感じている…そんな子どもたちのためのプロジェクトに賛同いただけましたら、まわりの方々への周知や拡散をお願いできれば幸いです。ぜひよろしくお願いいたします。
子どもでも快適に装着できる帽子にするために
抜毛症や脱毛症の子を知ったことにより、「大人でも髪がなくなる不安は大きいのに、子どもはどうだろうか」「小さい体で髪の不安を抱え、友達との違いに苦しんでいないか」「周りの外見に対する視線に強いストレスを感じていないか」など、こみ上げてくる思いがあったという。
そして、たどり着いたのが日本製の『髪付き医療用帽子』だ。頭皮がデリケートな子どもでも装着しやすいもの…となると、海外製でなく日本製の髪付き医療用帽子がベストだという結論に至った同社。オーガニックコットン100%、髪付きであること、使用する髪の毛は人毛100%という点にこだわった。
今回のクラウドファンディングで「たくさんの方に、ヘアロスで苦しむ子どもたちの存在に気付いてほしい」とも語っていた同社。クラウドファンディングのサイトには、支援へのリターンなども詳しく記されているので、一度チェックしてみてほしい。