累計1億部を超える荒木飛呂彦の大人気コミック初の実写化を三池崇史監督が手がけた話題作。杜王町(もりおうちょう)の平和を揺るがす連続変死事件が発生する。”スタンド”と呼ばれる特殊能力を持つ高校生・仗助(ジョジョ)は、新たな犯行現場に偶然遭遇したことから、壮絶な戦いに巻き込まれていく。見た目は不良だが心優しい高校生・仗助役の山崎賢人と、ある目的のために仗助らと対峙する敵スタンド使い・億泰役の新田真剣佑に本作への思いを聞いた。
―世界的人気を誇る原作の実写化ですが、最初に本作のオファーを受けたときの感想はいかがでしたか?
山崎「長く愛される原作の実写化は、僕にとっても挑戦でプレッシャーもありましたが、”原作愛”を持って全力で挑もうと。原作のスタンドを使った予測のつかないバトルにワクワクしましたし、セリフも印象に残るものが多くて、いっきに『ジョジョの奇妙な冒険』の世界にハマりました」
―スタンドの能力を持つ仗助と億泰はどのようなキャラクターでしょうか?
山崎「仗助は人間がよくできていて、頭もきれるし、正義感もしっかりと持っている。子供のころに命を救ってくれた人の髪型と服装を真似ているからこそ、髪型をバカにされるとキレてしまうんです。そういうおもしろい一面や印象的なしゃべり方など、内面も大事にして演じました」
新田「仗助との出会いをきっかけに大きく感情が動く億泰を、どう演じるべきか撮影前からすごく悩みました。彼はとにかく兄貴が大好きで、自分の大切なものは全力で守るという強い思いを持っています。見た目もそうですが、作品の中で最もインパクトのあるキャラクターだと思います」
―他人の傷を治すことができる仗助の”クレイジー・ダイヤモンド”をはじめ、スタンドを駆使した戦いも見どころですね。
山崎「撮影中はスタンドと自分は一心同体なんだと強く思い、五感を研ぎ澄ませながら演じていました。映像では僕とスタンドの動きがシンクロしていてうれしかったです」
新田「仗助との戦闘シーンは迫力のあるものに仕上がっていて、初めて映像を見た時は鳥肌が立ちました。一方、億泰の空間を削り取るスタンドは、僕も恐ろしいなと思いました。億泰自身も削り取ったものが、どこに行ってしまうのかわからないので(笑)」
―独特の世界観を出すために撮影はスペインのシッチェスで敢行されたそうですが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
山崎「エキストラもアジアの方を集めて撮っていましたが、どこか奇妙で杜王町にぴったりの町でした。町並みをはじめ衣装や髪型など、『ジョジョの奇妙な冒険』の世界をみんなで作っていくことができました」
新田「シッチェスで撮影をしているとアジアの国に見えてくるような雰囲気でした。僕は撮影中から三池監督と話し合いを重ね、日常生活でもつねに役と向き合って過ごしていました」
―本作の出演を経て、お2人の中で変化はありましたか?
山崎「1か月半もの間、目に見えないスタンドを駆使したアクションシーンやスペイン・シッチェスでの撮影を三池監督と一緒に乗り越え、大作ができ上がりました。今回の経験を通して、僕自身成長したと思います」
新田「三池組で芝居ができたことが大きかったです。億泰を演じたことを自分の経験としてこれからもいい役者になっていきたいなと。何を得られたかはこれからわかってくるんじゃないかなと思います」
※山崎の「崎」はたつさき
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