お笑いコンビ・バッドボーイズのボケ担当でおなじみの清人さん。地元・福岡の海沿いの町で過ごした幼少期のこと、家族のことをテーマにした漫画「おばあちゃんこ」を描き始めた。かなり特殊な家庭環境にあって、さらに身体に障碍を抱えながら、幼い清人さんを育てる哲子ばあちゃんがこの物語の主人公。
連載第8回の今回は、目の不自由なおばあちゃんと暮らすきよっぴの、仕方ないとはわかっているけど、でもちょっと寂しい日課の話。年齢差50歳の“親子”の、気まずくも互いを思いやる生活を作者のおおみぞきよとさんに振り返ってもらいました。
なんで僕だけこんな生活なんだろうと考えることもあった
――小学生だと放課後は友達と遊びたいですよね。
そうですね。やっぱり不満だらけでした。僕だけ生活のリズムが違ったんですよね。同級生に何かを言われたり仲間外れにされたことはないですが、疎外感がありましたね。みんなはいいな、って。
――おばあちゃんと買い物に出かけるのが日課だったんですか。
ダイコン1本とかキャベツ1玉とか、ちょっとだけ買いにほぼ毎日出かけていました。今振り返ると僕がいないと外に出られないから、買い物を口実にしていたのかなと思います。
――吉田フードセンターの肉屋姉妹、キャラが濃いですね。
ほんとパワフルで元気がいい方で。今はもう退いてらっしゃるんですけど、数年前まで地元に帰った時に立ち寄ると、「きよとちゃーん」って声を掛けてくれて。
――町の人たちはみんな、おばあちゃんときよっぴさんを応援してくれていたんですね。
そうなんです。本当に支えられていました。
――肉屋姉妹とおばあちゃんの会話が盛り上がるほど、清人さんが遊びに行く時間がなくなると。
肉屋姉妹だけでもすごいのに、ばあちゃんもそれに乗っかるもんだから……。やっぱりたまには拗ねたりしましたけど、でも、その時間をばあちゃんは楽しみにしてたんですよね。
――おばあちゃんの世話をすることで褒められたりするのは、ちょっと嬉しいですよね。
ピンとこなかった、という感じもあったんですよね。目の見えないばあちゃんとの二人三脚の生活が僕の常だったから、何か偉いことをしているような実感が湧かなかったんだと思います。なんで僕だけこんな生活なんだろうと考えることもあったんですが、でも褒められるようなことをしているというのがピンと来なくて「ふ~ん」という感じだったんですよね。でも、近所の方たちから「偉いね」ってお菓子とかお小遣いももらえたりしていたので、それは嬉しかったですね(笑)。
相手を思いやりながらも、自分のわがままを優先しちゃうこともある。そんな状況や心理は大人になっても思い当たりますよね。次回も買い物シリーズをお届けします。お楽しみに!
■おおみぞきよと
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