「オオシマザクラ(大島桜)」は、日本の野生種のひとつ。名前の「オオシマ」とは伊豆大島に由来し、その名のとおり、野生種は伊豆大島をはじめとする伊豆諸島を中心に分布し、伊豆半島や房総半島など、関東南部から静岡県にかけての比較的温暖な地域にも自生している。
オオシマザクラ(大島桜)は桜餅を包む葉でもおなじみ
ヤマザクラと同じく野生種のため個体差が多いが、花は白く大輪の一重咲きで、ヤマザクラやソメイヨシノと比較しても葉や花は大きめ。なお、ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンを交配して誕生した、いわば親にあたる存在。また、花と葉は香りが強いことから、桜餅を包む葉といえばオオシマザクラのものが一般的だ。
開花時期は、個体・地域差があるが、東京では4月上旬が目安。伊豆大島のサクラ株は例年3月中旬~4月上旬が見ごろ時期だ。ポピュラーな桜だけあり、都内でも千鳥ヶ淵や隅田公園など、桜の有名スポットでソメイヨシノなどと並び、咲く様子が楽しめる。
おすすめの「オオシマザクラ」が鑑賞できる桜名所・お花見スポット
「オオシマザクラ」が鑑賞できる全国の有名なスポットを紹介。
つま恋リゾート彩の郷(さいのさと)の桜 - 静岡県/例年の見ごろ時期:2月上旬~4月上旬
140万平方メートルの広大な敷地内にソメイヨシノをはじめ、河津桜、山桜、大島桜、しだれ桜、里桜など約1500本が植栽されている。河津桜は2月10日頃より見ごろとなり、3月下旬~4月上旬にはソメイヨシノが見ごろを迎える。また、2025年3月29日(土)・30日(日)の期間は、スプリングフェスタが開催(※詳しくは公式サイトなどをご確認ください)。
約1キロにおよぶ桜並木が見どころで、ウォーキングをしながらの花見が楽しめる。
秩父宮記念公園の桜 - 静岡県/例年の見ごろ時期:3月下旬~4月中旬
約6万平方メートルの敷地には四季折々の植物が植えられており、3月下旬~4月中旬にかけて、しだれ桜やフジザクラ、大島桜といった10種類の桜が見ごろを迎え、種類により見ごろが変わる。特に1723年(享保8年)に建てられた茅葺きの母屋に寄り添うように咲く樹齢約140年のしだれ桜は圧巻。満開の桜はもちろんのこと、ハラハラと散る花びらも格別だ。
2025年4月5日(土)・6日(日)は第23回御殿場桜まつりが開催。会場内では飲食ブースやさくら茶会、着物体験、ボランティアガイドによる桜ミニツアーが行われる。また3月下旬から4月上旬にかけ、公園内および周辺沿道で夜桜ライトアップも実施される。
松山城(城山公園)の桜 - 愛媛県/例年の見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
松山城は四季を通じて訪れる市民や観光客も多く、春は桜の名所として花見客でにぎわう。江戸時代までに建てられた天守を満開の桜が彩る。眺望も抜群で瀬戸内の島々が見える。天守へは山の8合目まで運行するロープウェイ・リフト(有料)を利用すると便利(リフトは雨天時運休)。
本丸広場では桜と天守を一緒に鑑賞できる。ソメイヨシノをはじめ、早咲きの椿寒桜や遅咲きの大島桜、塩釜桜、牡丹桜など約200本が次々に開花し比較的長期にわたり花見を楽しめる。2025年の桜のライトアップは3月19日(水)~4月13日(日)18時から20時50分(※本丸広場閉門21時)に開催。
都立光が丘公園の桜 - 東京都/例年の見ごろ時期:3月下旬~4月上旬
6万平方メートルにおよぶ広大な芝生地を有する光が丘公園。園内には、ソメイヨシノ約180本、大島桜約700本、山桜約110本と園内全域で約1000本の桜が咲き誇る。遊具やアスレチックのあるちびっ子広場、バーベキュー広場(バーベキュー広場内に桜はありません)なども備える。
都営大江戸線光が丘駅からは徒歩10分以内のアクセスの良さで、家族連れにもおすすめ。2025年3月29日(土)・30日(日)には「ねりま光が丘 Cherry Blossom Festa 2025」が開催される。
奥多摩湖の桜 - 東京都/例年の見ごろ時期:4月上旬~4月下旬
ソメイヨシノ、山桜、大山桜、大島桜などが、例年4月上旬~4月下旬にかけて奥多摩湖の周辺を彩り、周囲の山々でも桜が山肌をピンク色に染め上げる。湖畔を散策しながら、湖面に映る水辺の桜と山々の桜の景観を満喫できる。大麦代駐車場から見る桜は絶景だ。いこいの路や湖畔の小道などのハイキングコースもある。
奥多摩名物でもある麦山の浮橋、別名「ドラムカン橋」は湖上を渡す浮き橋。湖面に吹く風を全身で感じながら、湖の上から桜を楽しめる。