2010年、平城遷都1300年を迎えた奈良県。それを記念した“かるた”が発売され、注目を集めているのをご存じだろうか? 中川政七商店(奈良県奈良市)の「奈良かるた」(3150円)だ。
これは、奈良にちなんだ歴史や行事、特産品などをふんだんに取り入れた同社オリジナルのかるた。絵札は、ゆる〜い絵柄がかわいい木版画風の大仏や阿修羅像、奈良の風景などが描かれていて、読み札は、奈良の社会や文化の特性を現代的視点から読み解き、その成果を外部に発信する「なら学プロジェクト」を推進している奈良女子大学の寺岡准教授が監修した本格的なものとなっている。
「ポイントは、風呂敷包みに入ったかわいいパッケージとちょっと“ゆるめ”で愛らしい絵札です! このかるたを楽しむ中で“奈良”について知っていただけたらうれしいですが、字札を読みながらじっくり絵札も眺めていただけたらと思います」と話すのは、読み札制作担当の百武さん。
実は、このかるたを作ったのは奈良県出身ではない昨年入社したばかりの2人。担当が決まった時は「楽しみな反面、どうしようと思った」(絵札制作担当・羽田さん)そうだが、奈良時代の最盛期にあたる天平時代の食事“天平食”の講座を聞きに行って「蘇」という日本古来のチーズを試食したり、たくさんの文献を読む中で、逆に奈良の人ではない目線だから見つけられる“奈良らしさ”というものを意識して作ることができたという。
「『奈良かるた』で遊んでいただきたいのはもちろんですが、このかるたでは奈良の一部を紹介しているに過ぎません。これがきっかけとなり、奈良に遊びに来ていただけたら幸せです!」(羽田さん)。
味のあるかわいらしい絵札と、豆知識満載の読み札で作られた“古都・奈良”の魅力がたっぷり詰まったこのかるた。桐箱入りで、奈良好きな人へのプレゼントやお土産にもオススメだ。【東京ウォーカー】