<福岡観光ガイド>緑に囲まれた静かな空間でアートに触れる「福岡県立美術館 」

九州ウォーカー

福岡市中央区天神。緑が心地よい「須崎公園」内の一角にたたずむ「福岡県立美術館」。1964(昭和39)年にオープンした「福岡県文化会館」を前身とし、1985(昭和60)年の全面改装を経て現在の形となった。

福岡市天神のオアシス、自然豊かな須崎公園内のモダンな外観が目印


福岡市の中心街に建つ、心安らぐ美術館


福岡県にゆかりのある作家を中心に収集した作品の展示をはじめ、福岡県展や移動美術館展の開催、ワークショップや広報誌の刊行など、さまざまな活動を通じて美術の普及に努めている。

【写真を見る】福岡県ゆかりの作家の作品を多数所蔵。展示スケジュールは要チェック!


館内には、約3万冊の美術関係図書・各種美術雑誌を所蔵する図書室やハイビジョンギャラリー、一面ガラス張りの開放的なカフェテラスもあり、美術を楽しみながら、ゆっくりとしたひと時を過ごすことができる。

青木繁、坂本繁二郎、高島野十郎、川辺御楯など福岡の作家の作品の他、福岡藩御用絵師であった尾形家の絵画資料、久留米絣や九州古陶磁なども収蔵。年に3回開催される「コレクション展」などで展示している。年間スケジュールはホームページか、美術館でチェックしよう。

約3万冊もの蔵書を持つ4階・美術図書室では、美術に関連する図書や全国の美術館の展覧会図録を自由に閲覧できる。また、全国各地の展覧会情報も提供する。

美術図書室やビデオブースでは、書籍や映像で美術に触れることができる


美術図書室やビデオブースでは、書籍や映像で美術に触れることができる


同じフロアにあるビデオブースでは、福岡県立美術館所蔵名作選や「日本の巨匠」などの美術番組や、子どもが図画工作や美術について楽しみながら学べる番組を放映している。※美術図書室は閲覧のみ。

福岡が生んだ彫刻の巨匠・冨永朝堂作「玄界灘(二)」


福岡市出身の彫刻家、冨永朝堂(1897~1987)の作品「玄界灘(二)」。作品名が示す通り、玄界灘をイメージしたものだとか。斬新なデザインに、思わず立ち止まって見入ってしまう。

世界の名画や収蔵品を映像でわかりやすく解説


2階のハイビジョンギャラリーでは、ルノワール、セザンヌ、モネ、ゴッホなど、世界的な画家の作品や19世紀フランス絵画の名作、同館が所蔵する作品の番組を放映。特別展開催期間中は、関連番組を放映する場合もあり、美しい映像とわかりやすい解説で芸術に触れることができる。

窓から差す陽光と、窓の向こうの緑に癒されるカフェ


館内には、福岡市中心街のオアシス・須崎公園を眺めながら食事が楽しめるカフェテラスもある。一面ガラス張りの店内は、明るく開放感にあふれ、窓の外には豊かな緑が広がる。「ブレンドコーヒー」(388円)、「チキンカレー」(864円)などのメニューを用意するので、ちょっとしたひと休みに便利。美術鑑賞の合間や締めくくりに、優雅な空間で友人や家族、恋人とアート談義に花を咲かせよう。

日々の喧騒を忘れさせてくれる空間で美術鑑賞を楽しめる「福岡県立美術館」。休日はアートな休日を過ごしてみてはいかがだろうか。

[福岡県立美術館]福岡県福岡市中央区天神5-2-1(須崎公園内) / 092-715-3551 / 展覧会10:00~18:00(最終入場17:30)、美術図書室9:00~17:30、カフェ10:00~17:00(LO16:30) / 月曜(祝日の場合、翌日)休み※臨時休館あり

【取材・文=前田健志(パンフィールド)、撮影=鍋田広一(パンフィールド)】

前田健志

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