サントリー「角瓶」が80周年! ロングセラーの秘密に迫る

関西ウォーカー

サントリーのウイスキーブランド「角瓶」が、今年80周年を迎える。8月31日(木)京都・サントリー山崎蒸溜所にて「角瓶」ブランド説明会が行われた。「角瓶」の誕生地・山崎蒸溜所で、ロングセラー商品となった理由やおいしさの秘密、そして今後の展開などが明かされた。

1937年に発売されたサントリーウイスキー「角瓶」。サントリーの創設者・鳥井信治郎氏が日本人の味覚に合うようにバランス調整し、約10年の歳月をかけて会心のブランドに辿り着き完成させた国産ウイスキー。薩摩切子をモチーフにした亀甲柄のボトルも有名で、80年経った今でもそのデザインは健在。広告も発売当初からインパクトの強い訴求を行い、現在は女優の井川遙を起用したTVCMも話題に。一貫したクリエイティブワークスでブランディングに成功し、幅広いユーザーから支持を集めている。

サントリースピリッツ株式会社・森本昌紀さんは、「角瓶」の2017年売上達成が過去最高見込み(約490万ケース)であると話し、その理由について「ハイボール需要が高まってきた頃から強くプッシュしてきた。超炭酸ハイボールが味わえるお店が拡大したこと、家庭用として缶や超炭酸ソーダを発売したことが過去最高売上の大きなきっかけになりました」とコメント。ウイスキー市場は10年前に比べ市場規模が約10倍になり、ハイボールはアジアや欧米など世界でも親しまれている。

日本で最も歴史のある蒸溜所とも知られるサントリー山崎蒸溜所。同所の工場長を務める藤井敬久さんからは「角瓶」のこだわりを紹介。「おいしいウィスキーには、おいしい水が必要」だと話し、名水百選のひとつ「離宮の水」が湧く水無瀬神宮もある山崎は、古くから名水の里として知られる。また、ウイスキーをつくる環境にも秘密が。同所が桂川・宇治川・木津川と合流する湿度の高い土地にあり、この湿度の高さがウイスキーの熟成に適していると藤井さんは語る。

今も昔と変わらず人の手によってじっくりつくられている「角瓶」。 ブレンダー室主席ブレンダーの明星嘉夫さんからは今後の「角瓶」について「主軸は変えず、今の時代に応じた変化を考えていきたい。時代にあったおいしさを追求していきます」とブランド継続への意気込みを語った。昔も今も愛され続けている「角瓶」。今後のブランド展開にも目が離せない。

【関西ウォーカー編集部/ライター山根 翼】

山根翼

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