長澤まさみは食いしん坊キャラ?「散歩する侵略者」舞台挨拶

関西ウォーカー

劇作家・前川知大氏が率いる劇団イキウメの人気舞台「散歩する侵略者」を長澤まさみ、松田龍平を主演に迎え、黒沢清監督が映画化。第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門へ正式出品した映画「散歩する侵略者」が9月9日(土)より公開される。その先行上映会が8月30日(水)大阪・梅田の大阪ステーションシティシネマにて行われ、上映前に長澤まさみ、松田龍平、黒沢清監督が、舞台挨拶に登壇した。

大きな拍手で迎えられた3人。長澤は「本当にこの映画を観て、自分にとって大切なものって何だろうとすごく考えさせられました。共感してもらえる部分も沢山あると思います。最後まで楽しんで観ていただけたらと思います」と挨拶。松田は「侵略者をやりました松田龍平です」と上映前にも関わらず、冒頭から思わずネタバレ。続けて「公開前にこんなに沢山の方に来ていただいて嬉しいです。楽しんで行ってください」と述べた。それを受け黒沢監督は「誰がどのように散歩しているのか、誰がというか松田さんがポロっと言っちゃいましたけど…」と観客の笑いを誘い「誰が侵略して、どんな侵略なのか、いずれお分かりになると思いますので、楽しみにして下さい」と挨拶した。

本作で松田とは夫婦の設定で、大半が怒っている役どころを演じた長澤は「撮影が去年の夏でした。怒る感情って体力を使うので、結構ヘロヘロになっていました」と撮影時の苦労を明かした。そんな長澤に対し松田は、台本で想像していた以上に怒る長澤に、初めはなんでそんなに怒っているかわからなかったと明かすも「終わった後に人がそこまで怒るというのは、愛情の裏返しなんだと、興味のない人にそんなに怒らないじゃないですか、そういうことだったんだということに気付いて、長澤さんてすごい女優だなって思いました」と絶賛。長澤は照れながらも「有難うございます」と述べた。

初共演の長澤と松田。互いの印象について長澤は「面白い人です。ユーモアがすごくある方なので、結構ポツっという一言がその場の空気を変えちゃうって感じですね」と述べた。一方松田は「長澤さんは食いしん坊キャラですね」とコメント。それを受け長澤は「この2日間ずっと食べ物の話しかしていないので、そうですね」と納得の様子。続けて松田は「長澤さんにグイグイ引っ張っていってもらっていたなと思います。役もそうですが、僕自身も」と述べ「侵略者を演じるってことも自由さというか、どこか探り探りやっていたところがあるので、何か道しるべみたいなものを探していて、それが長澤さん演じる鳴海だったということもありますし、とにかく明るくてマイペースな方なので、そういう風にいてもらえると、自分もそういられるので」と役作りの上でも長澤に助けられたことを明かした。

最後にこれから観る方へのメッセージとして、黒沢監督は「この作品は、何でもない日常から始まるのですが、それがだんだん奇妙な形に変化してきます。その中で2人が演じる夫婦がそのことに気付いていくかというドラマです」と作品を紹介。続けて「最初の方は日常が変化すると言っても、ほとんど冗談のような、ちょっと信じられないようなふざけた出来事しかなく、撮っているこっちも冗談のように撮っているので、そういうところはできましたら、笑っていただけると有り難いです。その内その笑いもだんだん止んでいくかもしれません。最後にこの夫婦がどういう結論に達するか、そこは覚悟してご覧下さい。何が待っているか、最後までお楽しみ下さい」と期待感高まるコメントを述べた。松田は「タイトルの通り、いつの間にか日常の何でもない散歩の中に悠々と侵略者の様な人が散歩しているかもしれないという想像力を掻き立てる盛り沢山のエンターテイメントとして楽しめる映画にもなったと思う」と述べ、長澤は「本当に大半が怒っている役だったのですが、その怒りっていう感情の裏側に何があるのかっていうのがこの夫婦の物語の見どころになっているのかなと思います。もう一方で長谷川(博己)さんのパートのシーンも驚くような世界観が広がっている、本当に今までに観たことのない映画だと思います。とにかく楽しんで下さい」と作品をPRし、舞台挨拶は終了した。

【関西ウォーカー編集部/ライター南 華凛】

南 華凛

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