【郵便屋が体験した怖い話】「配達があるので怖がっていられない」配達中の“奇談”に背筋がゾッ!!【作者に取材】
東京ウォーカー(全国版)
町の隅々まで郵便物を配達して回る現役の郵便局員が、実際に経験した不思議な話や怖い話を漫画化した「郵便屋が集めた奇談」が今、話題だ。「配達があるので怖がってばかりもいられず、ただただ怪異に出合う郵便局員たちの話です」と作者は語る。読者からは「結構背筋がゾクッとしたけど、めちゃくちゃおもしろい…!」「いろいろなところに配達に行く郵便屋さんならではのお話!!」「こういう不思議で怖い話って好き」と好評の声が届いている。
この漫画の作者は、現役の郵便局員である送達ねこ(@jinjanosandou)さん。同僚たちが体験した話を漫画化していくうちに、送達ねこさんのもとには他局からも体験談が届くようになっていった。今回紹介する話はまさにそれで、送達ねこさんが漫画を描いていることを耳にした他局の配達員から一通の長い手紙が届いた。「やりきれない事件で誰にも話すつもりはなかったけど…」という言葉から始まる手紙。そこには長く重い物語が綴られていた。
本作の作者である送達ねこさんに話を伺ってみた。
――送達ねこさんは、本当に郵便局員さんなんですよね。
はい。関東の郵便局で社員として働いています。
――本作のように、“怪異現象”の体験談が届くことはよくあるのでしょうか?
漫画を描きはじめて増えました。ただ「情報提供」というより「答えの出ない思い」を打ち明けてくださっているように思います。
――…と言いますと?
たとえば、霊体験にしても同僚や知っている人の霊だったりすると、「怖い」というより「言葉を交わしたい」という気持ちが勝りますよね。かつてはその人と親しく話したり、笑いあった時間が確かにあるのですから!それなのに、なぜ私たちはもう会えないのか、話せないのか。「怖さ」よりもそういう「不思議」が体験者さん本人の本筋になっているように思います。
――親しい人なら「幽霊でもいいから会いたい、話したい」という感情になりますよね。
はい。そうなると、同じ“怪異現象”でも意味が変わってきます。その人にとっては“かけがえのない一生ものの体験”だったりする。死は日常にあるのに、全くその後の世界が見えない。大変もどかしく大きな謎で、自分も体験者さんと一緒に考えたくなります。不思議な漫画を描く意味は、答えの出ない問いを共有することだと思っています。
本作を読んだ読者からは「W先輩のためにできることは、何だったんでしょう?どうすればよかったんでしょう?判断が難しいです…」「物語のラストで『生きるための仕事でなぜ職員が病む なぜ職員が死ぬ』という絞り出すように吐き出されたであろう言葉を読んだとき、涙があふれた」という感想が相次ぎ、読む者の胸を切なさで締め付けた。本作以外にも、配達先で体験した怖い話・不思議な話が多数収録してある「郵便屋が集めた奇談」は一作一作が読み応え抜群!日本のどこかの町でひっそりと起こっている“怪異”をぜひ覗き見してみよう。
取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)
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