福岡市中央区の柳橋連合市場にある「高松の蒲鉾(かまぼこ)」は、昭和20年代に創業したカマボコの老舗。店先には、約30種類とバラエティ豊かな練り物や天ぷらがズラリと並ぶ。
各種商品のベースとなる白身魚のすり身は、エソやスケトウダラを使用。つなぎを極力抑えているため、心地よい弾力とモッチリとした食感があり、魚のしっかりとした味わいが特徴だ。
なんといってもイチオシは、小ぶりサイズの多彩な練り物。人気No.1の「ごぼう天」(92円)をはじめ、エソのすり身を揚げたNo.2の「ギョロッケ」(55円)や、ミニトマトをすり身で包んだNo.3の「とまべぇ(プチトマト入り)」(98円)など、ユニークな商品がそろう。
他にも、「とんこつラーメン天」(194円)や「お米天」(162円)、「枝豆よせ揚げ」(100g162円)など、人気商品がラインナップ。冬になると「うずら」や「ぎんなん巻き」など、おでんの具としても重宝するネタが増え、品ぞろえは50種類近くになる。
個性的な商品を考案するのは、創業者の孫にあたる、女将の浮田靖子さん。少量から手頃な価格で買える珍しい練り物は、市場散策のおやつとして、地元民はもちろん、外国人にも好評だ。
随時、揚げたてで提供し、温め直してくれるサービスもあるので、いつでもアツアツが食べられるのもうれしい。
商品はすべて奥の工場で製造。扇型や梅型、鯛などの縁起物をあしらった、祝いの贈り物「春冠」(詰め合わせ3564円~)も販売している。カマボコ各種は、他の店に卸していないので、購入できるのは同店だけ。店からの発送も受け付けている。
同店は、早朝5時から営業し、午前中から客の波が途切れない人気ぶり。市場散策をしながら、多彩な味を楽しんでみてはいかが。
[高松の蒲鉾(かまぼこ)]福岡県福岡市中央区春吉1-3-6 / 092-761-0722 / 5:30~17:00 / 日曜・祝日休み
【九州ウォーカー編集部/取材・文=上村敏行(J.9)、撮影=戸高慶一郎】
上村敏行(J.9)