サイバーエージェントが運営する縦読み漫画スタジオ「STUDIO ZOON」から、
新作縦読み漫画「ヒトグイ」
が8月16日より連載開始。本作は、累計500万部超の人気漫画「食糧人類」コンビの最新作!無差別大量殺人の末、食人に及んだ凶悪犯・嶋田。その護送を命じられ緊迫感を募らせる警察官・南雲だったが、多数の犯罪者たちを乗せた護送車の中で幕を開けたのは、想像を絶した恐怖の始まりだった――。
新感覚の体感型サバイバルホラー漫画について、原作を担当する蔵石ユウさんにインタビューを行い、アイデアの源泉や物語のテーマ、主人公のキャラ設定など「ヒトグイ」の舞台裏を聞いた。
今作は「能動的」「アグレッシブ」なアツい主人公にしたい
――「ヒトグイ」の物語のインスピレーションはどこから得ましたか?
【蔵石ユウ】縦読み漫画の特徴は「マンガよりゲームやアニメに近い」ところだと感じているので、主人公視点で進めるゲームっぽい作品にしようと思い、当作品を作ろうということになりました。
――主人公・南雲のキャラクター造形において、特に意識した点は何でしょうか?
【蔵石ユウ】これまでに携わった「アポカリプスの砦」や「食糧人類」の主人公は線が細い巻き込まれ型だったので、今作はもっと能動的、アグレッシブなアツい奴にしようと思いました。
――食人というテーマを扱う上で、読者に伝えたいメッセージや意図はありますか?
【蔵石ユウ】「食人」は人類の長い歴史の中でもっとも禁忌とされた行為であり、古今東西、人々が関心を寄せる行為である一方、「ゾンビ物」の<噛まれると感染する>という、同調圧力の怖さにも似た状況で自分を保つ難しさの様な事を感じて頂きたく、何が言いたいかというと「LOVE&PEACEでひとつ宜しく」という感じであります。
――縦読み漫画の形式で物語を展開するにあたり、執筆の際に工夫した点を教えてください。
【蔵石ユウ】縦読み漫画は「見開き」が使えないという縛りが発生するので、そういった「面積によるインパクト」を「時間(コマ)の長さ」で表現しようと思いましたが…出来てますか(笑)?
――「ヒトグイ」を執筆するなかで、特に印象に残っているシーンやエピソードはありますか?
【蔵石ユウ】南雲が立ち寄るドライブインで繰り広げられる店員同士の「渡る世間はゾンビばかり」的な展開(10話)は、楽しんで描けました。
取材協力:蔵石ユウ(@kuraishi_yu)
「ヒトグイ」(C)蔵石ユウ/イナベカズ/野渡ひい/STUDIO ZOON