西野「寄席小屋の『繁盛亭』で1週間出番があったんやけど、(笑福亭)鶴瓶さんがトリを務める日があって、鶴瓶さんと楽屋で話をしていた。そしたら、最近世間をお騒がせした(月亭)可朝さんが突如楽屋に来て。『ぶっちゃけ暇で、ここの前を通ったら鶴瓶の名前があったから来たんや!』と言ってはって、2人は世間話してた。で、鶴瓶さんの出番になったからおれは客席に行って観始めた。鶴瓶さんは落語の枕(本題前のこばなし)で『繁盛亭には去年の7月以来の2回目です。その間にいろいろありました。孫が生まれました。(桂)ざこばさんとこの娘さんが結婚しはりました。可朝さんが捕まりました』と言ったら、もう客席大ウケ。そしたら、鶴瓶さんの後ろをいつもの格好をした可朝さんが扇子を持って踊りながら現れた。上手から下手にはけて、また下手から踊りながら現れた。もう、めちゃくちゃウケてた。めったに観れない貴重なものを芸人として観れてラッキーやった。一期一会やないけど、ホンマにエエもんを観れたわ」
小林「爆笑やったね」
西野「一応、可朝さんは謹慎中やから鶴瓶さんは『僕は何も見ていません!』と言ったら、客席は大ウケやった」
小林「自分たちも立った同じ板の上で鶴瓶さんと可朝さんが立っていること自体が奇跡やなと。エエもん観れたわ」
西野「…、おまえ、出番が終わってすぐ帰って観てないやろ!」
小林「…、あの日は体調が悪かったから…、悔しいよ…」
西野「別に普段と変わりなかったやんけ! こうやって人って差が付くんやろな。おれもあの日はムチャクチャ眠かったし、ムチャクチャ疲れていたわ。でも、芸人って、ああいうエエもん観れたら、そんなんもふっ飛ぶからな」
小林「返す言葉なし…」
西野「おまえは普段からケータイだけのバーチャルの世界で生きている。繁盛亭の生の怖さやすごさを味わうべきうやで」
小林「返す言葉なし…」
西野「その返し、もうエエって!」
小林「返す言葉なし…」
西野「…もうエエわ!」