セミの声が鳴り響く夏の暑い日、人ではない何かが近づいてくる…。その恐怖と張り詰めた緊張感を、一切のセリフなしで描いたホラー漫画「ストーカー」。Xで公開されると、2.9万件(2025年1月18日現在)ものいいねに加え、「臨場感が凄い」「今日寝れなくなりました」などのコメントが続々と寄せられている。今回は作者のワサイ(
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)さんに、作品誕生のきっかけや、こだわった部分について聞いた。
近づいてくるのは恐怖のストーカー…!セリフなしで表現した理由とは?
緻密な作画と、セリフがなく、1ページ目からその異様な雰囲気と世界観に引き込まれてしまう今作。現在は漫画のアシスタントをしているという作者のワサイさんに、作品を描いたきっかけを聞いてみた。
「何年も漫画を描きあげられずにいて、そのストレスが溜まっていることをアシスタント先の漫画家の方と話していたことがありました。アシスタント先では、漫画家の方と一緒に怪談を聞いたりしていたので、そのときに『好きなホラーを描いてみたらどうか?』という話になり描いてみました」
マンションの壁をよじ登り、玄関のドアを執拗に開けようとする異形のストーカー。そして、なんとか見つからないように逃げる主人公。オノマトペのみで進む緊迫した展開に、思わず息を止めて読んでしまう。このような表現にした理由は何だったのだろうか。
「描き始めるにあたって、セリフなしでいこうという考えはありませんでした。描いていくうちに自分があの主人公の立場になったら緊張で硬直してしゃべることができないだろうなと思い、セリフがなくなりました」
そして、繊細な作画も読者の恐怖をかき立てる。「物の色などはスクリーントーンではなく、線で表現できればと思いました」と作画のこだわりも語ってくれた。