2007年10月結成。Oguri, kazuki, NOPPO, shojiの4人によるダンスチーム・s**t kingz(シットキングス)が、この秋から10周年のアニバサリーイヤーに突入する。“アニバーサリーのプロジェクト”の第1弾となるのが、11月から東京&大阪で開催される「10th anniversary show in Billboard Live」。このショーの見どころを、kazuki、NOPPO、shojiの3人に聞いた。
——11月16〜17日にビルボードライブ東京、21日〜22日にビルボードライブ大阪でs**t kingz結成10周年記念企画「10th anniversary show in Billboard Live」が開催されます。ずばり、どんなショーになりそうですか?
kazuki「大枠は決まったんですが、細かいところはこれから詰めていく段階なんですよ。いちばん大きなポイントは、生バンドと一緒にステージを作るということですね。メンバーで音源を探して編集するのではなくて、バンドの演奏ありきなので、お互いにアイデアを出しながら構築しています」
NOPPO「バンドのみなさんがアレンジしてくれて音源をもとにして、“ここにこんな音を入れてほしいです”みたいな提案もして」
kazuki「アレンジがカッコいいんですよ。生バンドと一緒にショーをやることにずっと憧れていたので、やっと実現できてうれしいです。初めてのことなので、いろいろ大変なこともありますけどね(笑)」
——選曲の基準は?
NOPPO「大枠のコンセプトを決めて、それに則って楽曲を選んでいます。具体的な楽曲名はまだ言えないですけど(笑)」
kazuki「10周年を記念した公演なので、これまでに作ってきたパフォーマンスを織り交ぜようと思っているんです。それをいくつかのセクションに分けて、それぞれにテーマを決めて構成したいなと。ビルボード公演のためにすべてを新しく作るのではなく、過去の振り付けをブラッシュアップしながら、よりパワーアップしたショーにしたいんですよね」
shoji「まずはメンバーそれぞれが好きな曲を選んでるので、それをバンドの生音で踊れることが自体がすごく楽しみで」
kazuki「うん。昔からs**t kingzを観てくれてる方は“懐かしい”と思うパフォーマンスもあるかもしれないけど、バンドの演奏と一緒にやることでさらにカッコよく表現できるんじゃないかなって。同じ曲でもまったく違う雰囲気になる可能性もあるでしょうね」
NOPPO「楽曲のアレンジによって振付けも変わってくるでしょうし。何をどう変えるか、または変えないでそのままやるか。そこも明確にしないと」
kazuki「そうだね。昔の振付けを覚えてなかったりもするんですよ(笑)。実際に踊ってみたら“そうそう、こういう感じだった”って思い出すんですけど、いきなりやろうとしても無理なので」
NOPPO「思い出す作業も必要ですね(笑)。観てる方のイメージを壊し過ぎないことも大事だし、曲によっては逆に思い切り壊してもいいだろうし」
kazuki「楽しみと不安が半々ですね、いまは(笑)」
——結成当初と10年のキャリアを積んだ現在では、いろいろと変わっている部分もあるでしょうからね。ダンスのスキルもそうだし、やりたいこと、表現したいこと自体も変化しているかもしれないし。
kazuki「どうでしょうね? 10年前は“これをやりたい”ということもそれほどなかったかも」
shoji「そうかもね。“いままでの日本にはなかったスタイルのショーを作りたい”くらいで、かなりふわっとしてたから」
kazuki「実は、けっこう軽い感じで始まっているんです。その後、いろんな形でショーをやらせてもらって。いまは臨機応変に幅広く表現できるようになっていると思うし、それはビルボード公演でも活かされると思いますね。なかには“今やったらイケてないよね”という振り付けもあるから、それは見直さないといけないけど」
NOPPO「ありますね。“あのときは良かったけど…”っていう。昔流行った一発芸じゃないけど“そのネタ、今やる?”って思われるのは良くないので(笑)」
shoji「4〜5年前に流行った振付けがいちばん微妙かも」
kazuki「ダンスのトレンドや流行もあるからね。それはダンサーじゃないとわからないレベルの話なんだけど、自分たち自身が気持ち良く踊れないとダメだから」
shoji「うん。最初の頃は“とにかくカッコよく踊りたい”という気持ちが強かったんですよ。シンプルに“これがカッコいい”と思う曲を選んで、それを4〜5曲つないで。BODYROCK(アメリカのダンスコンペティション。s**t kingzは2010年に初優勝した)の映像を久々に観てみると“この曲とこの曲をよくつないだな”って思うんですよね(笑)」
NOPPO「ハハハハハ!」
shoji「ショー全体でどんな世界観を見せるか?ということにこだわり切れていないというか。もちろん当時もいろいろ考えて、こだわっていたと思うんですけど、今の方が細かいところまで意識できているんじゃないかな」
NOPPO「以前はとにかく全力でカッコいい振り付けを作ることだけを考えていましたからね。今はまず、4人で“どういう雰囲気のショーにするか”については話し合うんですよ。そこで全体の構成を決めて、そこから振り付けを考えて。ちょっと賢くて、効率的なやり方になっています(笑)。あと“1曲(全部)使い”が増えてるんですよね。楽曲の一部だけではなくて、Aメロ、Bメロ、サビ、間奏をすべて活かすことで、ストーリー性のあるパフォーマンスができるというか。そのほうが観ている方も入り込みやすいと思うんですよ」
kazuki「最初から最後まで全部振り付けを作るのではなくて、“ここは踊らないで、ただ歩くだけのほうがいい”ということもありますからね。そのぶん“最後はしっかり4人で踊ろう”とか」
shoji「引き算の演出ができるようになったんでしょうね。見せたいところを際立たせるために“ここは踊らない”ということも考えられるようになったので。それもこの10年間で学んだことですね」
shoji「バンドと一緒にやることで、そこもさらに上手く表現できると思うんです。“ここはテンポよくつないでいこう”とか“この曲はジックリやろう”など、いろいろな見せ方、聴かせ方ができるので。ライブ感のあるショーになると思います」
kazuki「うん。ショーによってはキャラクターを演じることもあるけど、そうするとどうしてもステージと客席の間に壁ができるんですよ。今回のビルボードライブ公演ではたぶんメンバーも喋るでしょうし、曲によっては一体感を味わってもらえると思います」
NOPPO「ワイワイ楽しんでほしいですね。会場ではお酒を飲んだり食事もできるので、かしこまらないで好きなように観てほしいなと」
shoji「自由に楽しんでほしいですね、ホントに。ビルボードはおしゃれな会場ですけど、ヒップホップ系のアーティストなんかだとノリノリになって、お客さんも立って踊ったりしてるので。そういう空間の使い方ができたらいいなと思ってます」
——本当に楽しみです。何と言っても10周年を記念したショーですからね。
shoji「10周年イヤーはビルボードライブの公演から始まるんですよ。s**t kingzは○周年みたいなお祝いをしたことがなかったんですけど、10周年の区切りはしっかりやろうと思っていて。4人で初めて踊ったのが10月28日なので、来年の10月までの1年間は猛ダッシュでがんばりたいです。まだ発表していないプロジェクトも用意しているので、楽しみにしていてほしいですね」
——すべてセルフプロデュースで10年間活動を続けていることは、本当にすごいと思います。
kazuki「基本的には4人で作ってますけど、いろいろな人たちの力も借りてるんですよ」
shoji「うん。メンバーの4人も変わり続けているし、そのときに“これがおもしろい”と思うことをやることで常に新鮮な感覚を保てているというか」
NOPPO「4人ともタイプが全然違っているのも良かったのかも。ビルボードライブの公演でも、シリアスなところやコミカルなところ、セクシーな大人の雰囲気までs**t kingzのいろいろな面を観てもらえると思います」
【ウォーカープラス編集部/浅野祐介】(撮影●宮脇進 取材・文●森朋之 撮影協力●ナノ・ユニバース東京店)
浅野祐介