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市原市では、「アートを日常的に感じられるまちづくり」をコンセプトに、地方創生とともに持続可能な街作りを目指している。3年に一度開催の芸術祭「いちはらアート×ミックス」をはじめ、さまざまな取り組みの中で、アッと驚くアート体験ができるスポットへと生まれ変わっている。
豊かな自然とともに、現代アートが存分に堪能できる内房総エリア「市原市」「木更津市」は、アクアラインを経由すれば都内から1時間ほどで訪れることができるため週末のおでかけ先にもピッタリ。今回、「現代アートと里山グルメを堪能!五感で楽しむアートトリップ」と題されたプレスツアーに参加。アートの偉大さに気づかされた1日をレポートする。
都心から約1時間→小湊鐵道「五井駅」へ
内房総の大動脈でもある小湊鐵道の出発地点「五井駅」は、100年後、200年後に残る逆開発をコンセプトに、もともと会議室だ形った場所を「こみなと待合室」として、ゆったりくつろげるカフェスペースを併設。「旅の道中をゆっくり休んでもらいたい!」という想いが詰め込まれた昭和レトロな作りと、「キハ200形」といった名車たちを眺めながら、「ジビエドッグ」「安全第一カレー」といったグルメも楽しめる。
また、ここから小湊鐵道「キハ40形」観光急行列車に乗って、各駅施設や四季折々の情緒ある風景をのんびり楽しむのも、アートな楽しみ方の1つ。五井駅は利便性もよく東京駅から電車を乗り継いでも1時間ほどなので、思い立ったら「五井駅」みたいなノリでデジタルデトックスするのもアリ。
新旧交錯?空き店舗を現代アートにリノベした「牛久商店街」
市原市のほぼ中央に位置する「牛久商店街」では、アートのまちいちはら推進事業の一環である「牛久リ・デザインプロジェクト」のもと、牛久地区の商店街や空き店舗を活用し、アーティストたちが手がけた作品展示へとリノベーションし、街のいたるところでアート体験が堪能できる。ノスタルジーな街並みのなか、最新テクノロジーのアートに出合った瞬間に、新旧入り混じった独特な空間に魅了される。
大自然の中にポツンと生まれた荘厳な「市原湖畔美術館」でアート体験
千葉県一の貯水面積を誇る高滝湖をのぞむ「市原湖畔美術館」は、現代アートを中心とした企画展、地域・子どもに開かれたワークショップ、広場を利用したマルシェやピクニックなど多彩なプログラムを展開。館内には、ヴィト・アコンチさんが率いたアコンチ・スタジオが手掛けた約700本のチューブ(針とピン)を林立した「MUSEUM-STAIRS / ROOF OF NEEDLES & PINS」といった圧巻の作品をはじめ、心奪われる10点の恒久作品も楽しめる。また、野外には彫刻作品が点在しており、存分に現代アートを体感できる。
絶景の中で絶品ピッツァを食す「PIZZERIA BOSSO」で癒やされる〜
市原湖畔美術館の敷地内にあるイタリアンレストラン「PIZZERIA BOSSO」は、ピザ窯で焼いた香ばしい生地に、地元の野菜をふんだんに使用した絶品ピッツァを楽しみながら、高滝湖をのぞめる絶景スポット。フラっと、ドライブがてらに立ち寄って、ボーっと湖を見ながら珈琲やピッツァを楽しむなんて、最高のひとときが過ごせる。
廃校に現代アートをアップデートした「月出工舎」
月出工舎は、廃校となった旧月出小学校をリノベーションし、「みんなでつくるがっこう」をコンセプトに、「遊・学・匠・食」といった、さまざまなアート体験を発信。ダイナミックな巨大壁画など、校庭や校舎をはじめとした敷地内には所狭しとアートが点在しており、そこには、「答えのないアートたちが、眠っていた創造力を掻き立ててくれる」そんな独自の空間が形成されている。
職員室が癒やしと最高のグルメ空間に昇華した「ヤマドリ珈琲」
旧月出小学校の職員室をリノベーションした「ヤマドリ珈琲」は、「ストローベイル」と呼ばれる工法で藁のブロックを積み重ね土と漆食を塗り上げた、まさにウォールアートとも言える癒やし空間。また、工舎内の工房で焙煎した豆を使った珈琲や、昔ながらのナポリタン(イベント会期のみの提供)など「食」の面でも、ここでしか堪能できない味がある。月出工舎のアート体験を楽しんだあとに、物思いにふける最高のスポット(基本土日のみ営業)。
音楽家・小林武史さんが総合プロデュースする「KURKKU FIELDS」
「人と農と食とアート 自然の協奏曲」をテーマにした 「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」は、音楽家である小林武史さんが総合プロデューサーを務めており、サステナブルなファーム&パークとして展開。広大な敷地内には、太陽光発電や古材の再利用から微生物や植物の浄化作用を活かした循環型濾過装置「バイオジオフィルター」などをはじめとした「持続可能」な設計がされ、災害時の避難場所としても活用される。
草間彌生さん、増田セバスチャンさんといった世界的アーティストの作品を想像力をフルに活かして「彷徨う」ように楽しむのも同施設の楽しみ方の1つ。そして、隠れ家のようにひっそりと佇むファンタジーいっぱいの「地中図書館」は、思わず「ココは日本なの?」と、目を奪われてしまう美しい建造物に目を奪われるパワースポットだ。
地元食材を愛した匠が創作する「perus」
農場野菜やジビエをはじめ、地元の漁港で水揚げされた魚など最旬の食材たち、そして、それらを作っている地元農家との深いつながりを持ち、自ら生産者のもとへ出向き、その想いも引き継ぎ、料理を日々アップデートし、提供している「perus(ペルース)」。そんな「人と自然のつながり」を大事にしてきた匠が創造する料理は絶品×芸術とも言え、まさに、口の中にミラクルが入り込んでくる、そんな表現が相応しい味わい。
都内から約1時間、内房総(市原市、木更津市)には、広大な自然と昭和レトロな街並みが延々と広がっており、そこに点在する現代アートとの融合は、なんとも不思議な感覚にさせてくれる。多忙な毎日を過ごしていると、空を見たり、答えを探したり、時間に追われたりするが、そんな日常を忘れさせてくれる「現代アート」に触れて、デジタルデトックスするには打ってつけのスポットだった。
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