今年で4回目となる「京都国際映画祭2017」が10月12日に開幕し、世界遺産・西本願寺(京都市下京区)でオープニングセレモニーが行われた。京都市内を中心にさまざまなエリアで「映画やアートもその他もぜんぶ」をコンセプトに映画の枠にとらわれない、魅力あふれるイベントを15日(日)まで展開する。
オープニングセレモニーの会場となったのは、重要文化財の南能舞台。祇園甲部の芸妓らが伝統芸の手打ち式「七福神」、「花づくし」を披露し賑々しくスタート。
京都国際映画祭実行委員会名誉委員長の中島貞夫氏が登場し「今年は、京都で初めて映画が上映されてから120年目の節目の年。京都国際映画祭を大いに盛り上げて楽しんでほしい」と語り、恒例となった「第4回、京都国際映画祭よーい、スタート!」の開幕宣言の掛け声が能舞台に響き渡った。
その後、京都市長の門川大作氏、京都府知事の山田啓二氏の代理として文化スポーツ部長の森下徹氏、文化庁 地域文化創生本部事務局長の松坂浩史氏が挨拶を行った。
続いて、京都国際映画祭アート部門のアートプランナー おかけんた、総合プロデューサーの奥山和由氏がステージに登場。奥山氏は、映画に対する厳しい姿勢を教えてくれた五社英雄監督の特集を組んだこと、五社監督にゆかりのある人にアンバサダーを依頼したことを話し、岩下志麻を紹介。艶やかな着物姿で登場した岩下は「京都の映画スタッフは、プロフェッショナルで素晴らしい。京都を中心にたくさんの映画を作って、映画祭を軸に映画の和が広がってほしい」と語った。
2014年から京都国際映画祭が引き継いだ歴史ある、牧野省三賞の授賞式には、プレゼンターとして牧野省三の孫でもある津川雅之が登壇し、新藤次郎氏に手渡された。また、国際的な活躍が期待される俳優に贈る三船敏郎賞には、浅野忠信が選ばれた。
今回の京都国際映画祭は、例年になく充実しており、ワールドプレミアムの「火花」をはじめ、無声映画やクラシック映画など、京都国際映画祭ならではの作品が数多く上映される。また、アニメ生誕100年というタイミングで新しくアニメのジャンルが加わっていることにも注目したい。
オープニングセレモニー前には、アンバサダーの岩下志麻をはじめ、特別招待作品『花火』に出演する俳優の桐谷健太など上映作品に関連するゲストたちが取材に応じた。
特別招待作品としてワールドプレミア上映される「花火」(上映は10月15日9:35~、TOHOシネマズ二条)からは、桐谷健太、三浦誠己、板尾創路監督が出席。桐谷は「関西の芸人の話でもあるので、関西の方にいち早く見ていただきたいなと思っていました」と語り「京都の人は笑いに厳しいと聞いています。この映画を見てどう感じられるか、感想を聞かせてほしい」と話した。
特別上映「十階のモスキート」からは、第1回目から皆勤出演している、ロックンローラー内田裕也と崔洋一監督が出席。崔監督のデビュー作となる、この作品について「裕也さんから『崔さん、頭にきているから映画撮ろうよ』という真夜中の電話から始まった」と話した。また、明日(13日17:40からTOHOシネマズ二条)で上映もトークもあるので楽しみにしていただきたい」と加えた。
ほか、アートプランナーのおかけんた、イチハラヒロコ、レイザーラモン・HG、特別招待作品「台湾より愛をこめて」大野拓朗、岡本夏美、「KOKORO」國村隼、ヴァンニャ・ダルカンタラ監督、「全ては愛のため/癡情男子漢」韓笙笙(ハン・シェンシェン)、陳偉昌(チェンウェイチャン)、「よしもと新喜劇映画 女子高生探偵あいちゃん」酒井藍、川畑泰史、「ありえなさ過ぎる女~被告人よしえ」浅香あき恵、北村誠之監督などが出席した。
【関西ウォーカー編集部/ライター惣元美由紀】
惣元美由紀