映画でW主演をつとめた佐藤江梨子×柳楽優弥が感じたこととは?

関西ウォーカー

愛を感じられず、本を支えに生きる女性書店員・夏樹と男子高校生・光治の心の交流を描いた「すべては海になる」。本作でW主演を務めた佐藤江梨子と柳楽優弥を直撃してきました!

─お2人は本作が初共演になりますね。お互いにどんな印象を抱かれましたか?

佐藤:「柳楽君はホントにまじめ。現場に入る前に“本読み”があって、柳楽君は役に入ると全然ちがう人に見えてくるんですよ。すごい役者さんだなって思います。今日は(映画の時と違って)ワイルドな姿に、びっくり」

柳楽:「佐藤さんは明るくて、現場のムードメーカーでしたよ。カメラが回っているところでは緊張感を持ちつつ、それ以外のところでは現場を和ませてくれるんです。オンとオフの切り替えが上手というか…僕は口数が少ないので、そういう雰囲気がすごくうらやましいです」

佐藤:「本当の私は自分に自信がなくて、運だけでここまでやってきたような感じですよ(笑)。だから、夏樹の気持ちもわかるかな」

─今回、現代人が抱える“心の孤独”が映画のテーマになっていますが、お2人はそれぞれ演じる“愛を見失いつつある”キャラクターに共感できましたか?

柳楽:「物語にほれ込んでいたので、台本から光治の心情を探っていきました。僕は何でも上手くやってのける人間より、壁にブチ当たってもがいている人間のほうが魅力を感じるので、今回の光治には共感できましたね」

佐藤:「周囲の人が思っている以上に、私は地味な生活をしているので(笑)どこにでもいる役の方が素の自分に近いんです。なので、楽しみながら演じられました。役作りで本屋さんに通ってみたり、いつもよりセリフの言い回しをゆっくりにしてみたり…。会話劇で展開していく映画なので、山田(あかね)監督から言葉に対しての演出はほかの現場よりも多かったかもしれないです」

─佐藤さんがおっしゃったように“言葉”が本作のキーワードになっていますね。それによって主人公たちは心救われていきますが、ご自身はそういう経験はありますか?

佐藤:「デビュー当初にいとうせいこうさんから“頑張るな”って言われたことがあって。仕事にしても、恋愛にしても頑張らなくても続けられるものじゃないと、続かないって言われたんです。だから、その言葉を胸に“頑張らず”に生きています(笑)」

柳楽:「僕はすごく慕っている先輩に“自分を信じろ”って言われたのが、グッときましたね。今回の映画も心に刺さる痛くて優しいセリフが刺激的なので“言葉”を感じて観てほしいです」

佐藤:「私も作品を通じて、考えさせられるところがありましたね。なので、この映画を観て、救われる人がいればいいなぁ」

【関西ウォーカー】

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