「もうダメだ…今週は休載だ…」と編集担当が嘆いていた。これまで人間業とは思えないスピードで大作を描き続けてきた人気漫画家がスランプに陥ってしまった。しかも「故郷に帰りたい…」と言い残すや否や、姿を消してしまった。漫画家はどこへ行ってしまったのか?締め切りには間に合うのか?
漫画家のペンネームは「大葉圭(おおばけい)」。週刊少年漫画雑誌の連載を抱えている売れっ子漫画家である。素性が伏せられた漫画家で、外見はもちろん、性別・年齢すべてにおいてプロフィールは非公開。とてもミステリアスな存在なのである。そんな漫画家の正体は、実は「おばけ」だった!!おばけ先生は「故郷に帰りたい…」と消えてしまったが、おばけの故郷って…どこ?
今回のエピソードは、これまで神業(おばけ業!?)で大作を仕上げてきたおばけ先生がスランプに陥ってしまったという話である。週刊誌の締め切りは厳しい!はたして原稿は完成するのか…?
本作を描いたのは、「good!アフタヌーン」(講談社)の2024年9号で「峰家の双子は似ていない」が掲載された漫画家・高野准(@takano_66)さんである。高野さんはこれまで講談社が主催する「アフタヌーン四季賞」で数多の賞を受賞している漫画家だ。高野さんに本作について話を聞いてみた。
――おばけ先生は“最強の漫画家”という設定とのことですが、そんな先生でもスランプに陥ってしまうんですね!
おばけ先生は、寝なくてもよくて、描くのも早くて、自分の生前の人生が全部漫画になるような、“最強の漫画家”=スーパー漫画家というコンセプトで考えましたが、ついにスランプに陥っちゃいましたね。
――高野さんご自身もスランプに陥ったことはありますか?その際の対策、抜け出す方法などありましたらお聞かせください。
スランプに陥りかけて、たとえばアイデアが出てこないというときは散歩をしたりおいしいものを食べに行ったり、おばけ先生のように旅に出かけたりします。ほかにも漫画を描いているうちにこんがらがってしまうときなんかは、思い切って別の話を考えはじめてみたりすると、新しいアイデアが出てきて話が先へと進むこともあります。
今回のスランプのエピソード回は「おばけのマンガ家」の第8話に当たる。第1話から第7話も続けて読んでみると、漫画の世界感がもっとわかり、あなたもおばけ先生のファンになるかも!また、高野准さんのほかの作品である「預言者」や「情けない僕と強気な店長の話」も収録しているので、ぜひ読んでみてほしい。
取材協力:高野准(@takano_66)
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