東京・港区にある東京ミッドタウンの「ISETAN SALONE」にスペシャリティ・バニラスイーツ専門店「Hugh Morgan」がオープンした。
お菓子の定番フレーバー「バニラ」を極めた専門店
アイスクリームや焼き菓子などのフレーバーでもっともよく聞くひとつがバニラ。身近なフレーバーでありながら、お菓子作りなどをする人でないと実はよく知らないことも。バニラにはバニラエッセンスやバニラオイルといった、お菓子にバニラの香りを添加する “香料”がある。一方、最近ではかなり一般的になっているバニラビーンズは、天然の植物。
ラン科の植物でさや状の果実で、いんげんのようなグリーンの細長い実を収穫し、発酵と乾燥を繰り返す「キュアリング」という工程を繰り返し、黒くて細い棒状のバニラビーンズになる。この黒いさやに入っている微粒な種をしごき出したものが、アイスクリームやプリンで小さな黒い粒が入っているアレ。
バニラは16世紀の英国女王エリザベス一世の侍医ヒュー・モルガンによって単独の香料と確立された。王室や上流階級で広まり、ヨーロッパ全域で香水やお菓子に使われるようになったと言われる。店名の「Hugh Morgan(ヒュー・モルガン)」の由来はここから。
高品質のバニラを3つのコンセプトで選定
バニラは世界でも最も高価なスパイスのひとつで、「銀よりも高い」とも言われるほど希少価値の高いもの。「Hugh Morgan」では本格的なバニラの世界を体験できるように、品質にこだわった、バニラの魅力を感じられるスイーツを提供している。
バニラビーンズは天然のもので、高価。またひと口にバニラビーンズと言っても、実は産地によっても香りに大きな違いがある。「Hugh Morgan」では「Elegance」/「Classic」/「Dawn」の3つのコンセプトに沿って、毎年それぞれの対象エリアから最もブランドコンセプトに合う高品質なバニラを選定している。
バニラには一般的にS、A、Bという3つのランクに分類されているが、「Hugh Morgan」ではAランク以上を使用。バニラの香りを最大限に引き出すには水分や油分にしっかり時間をかけて香りを移す作業が肝。クリームなどに最低でも1日以上漬け込むことで、じっくりと香りを引き出している。さらに、種子を取り出したバニラのさやも乾燥させてパウダーにして焼き菓子などに利用するなど、貴重なバニラビーンズを大切にしてお菓子作りを行っている。
本物のバニラが持つ香りと魅力
「Hugh Morgan」で販売しているスイーツはすべて厳選したバニラビーンズを使用。バニラにこだわるとこんなにも上品な香りと味わいが楽しめるのかと驚く。すべての商品でバニラを味わうことができるが、感動的においしかったのが「Hugh Morgan」のシグネチャーでもある「サブレ・オ・ブール」(746円/6個詰め合わせ4850円)。
タヒテンシス品種バニラとバニラブランデーが香るバタークリームを、竹炭入りのサブレでサンド。このサブレの色はバニラビーンズを思わせる。ひと口かじってみると、中には塩味の効いたバニラジャムが入っている。食べた瞬間にふんわりと香るバニラがとにかく上品。デザートのような満足感がある。数あるバニラスイーツの中で、ぜひ食べてほしい一品。
チーズケーキの概念が変わるのが「ガトー・フロマージュ・ヴァニーユ」(ホール5616
円、単品756円)。使われているのは厳選したマダガスカル産プランフォリアバニラ。生クリームやマスカルポーネにフルーティーなバニラの香りが広がる。
チーズケーキでありながら、ちゃんとバニラが主役になっていて、ほかでは出会えない味。コクがあるのに軽やかで、丁寧にゆっくり食べたくなる。本物のバニラビーンズというと、ただただ甘い香りが強いのかと思いきや、種類によって香りも異なり、甘さ+αの香りがあり、スイーツの格を上げている。
焼き菓子はマドレーヌやフィナンシェ、クッキーなど種類も多い。特に人気なのが、さまざまなクッキーやナッツ、メレンゲなど、9種の焼き菓子アソートを詰め合わせた「フールセック・ヴァニーユ」(4860円)。エクアドル、マダガスカル、インドネシア産など、産地が異なるバニラを使い分け、それぞれに異なるバニラの風味が感じられる。
バニラの甘い香りは気分を上げてくれる。自分へのご褒美スイーツとしてもぜひ選びたいものだが、ギフトや手土産としても喜ばれそう。奥深いバニラの魅力を体験しにお店に足を運んで気になるバニラを味わってみては。
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