「大学生の息子に月30万円の仕送りをしている」という佐藤さん。同僚の山本さんはそれを聞いて、「足りない分はアルバイトで稼げばいい」という。今回は、ホンダアオイ(@hondagobo)さんの漫画「大学生の息子に仕送り30万はアリか?」を紹介するとともに、制作のきっかけを聞いた。
「若いころに十分なお金渡した方が子どもの人生を豊かにすると思いませんか?」という問いを投げかけてみた
佐藤さんは、大学生の息子に30万円仕送りをしているという。驚いたのは、同僚の山本さんだ。彼は「普通、7万くらいでしょ。足りない分はアルバイトして稼げばいい」と返す。しかし、佐藤さんが30万円もの金額を仕送りするのには理由があった。遺産をもらったとき、やりたいことのほとんどが終わっている年齢よりも、若い時にお金があった方が有意義に使えるだろうという考えだ。確かにアルバイトに比重がかかって学業がおろそかになるよりも、視野を広めるために旅行にいけるような余裕があるに越したことことはない。
ホンダさんに制作のきっかけを聞くと、「元ネタは『Die with Zero』という本です。第5章のなかに『たいていの人は相続が遅すぎる』という話が出てきます。そこでは49歳の時に13万ドルの遺産を受け取ったのだが、もしそれが10や20年前にもらえてたら、私は貧困時代を経験しなくて済んだ、みたいな話が出てきます。そこから着想を得て今回の漫画を描きました」と話す。
この漫画で、「仕送りで30万はたしかに高いかもしれないが、遺産相続で渡すのとタイミングが違うだけで変わらない、むしろ若いころに渡した方が子供の人生を豊かにすると思いませんか?という問いを投げかけてみた」という。ポイントは「あえて仕送り30万という拒否反応が起きるような話にすることで目を引き、でも考え方を変えたらアリかもしれないと思わせたかった。本質をみてほしいという願いで作りました」と、ホンダさん。
結果、「有意義に使えるのはむしろ少数派で9割はパチンコだの風俗だのバカな使い方して、借金までして詰むということで不賛成」「渡さないのも教育」「社会人になって給料が20万円だと苦労する」などの反対派のコメントが多いのに対し、「60歳過ぎて遺産がくると、正直言って『今更』と思うため、賛成」「若いうちになんでも体験しておかないと年取ってからの失敗は痛い思い。子どもが欲しがったらあげる派。お金の使い方を教えるところまで教育」といった賛成派もいた。
賛否はあるが、親に元手があっての話。個人的には「仕送り金額や教育論は置いといて、子どもにスパッと渡せるこんな親父になりたい」という意見に賛成したい。ホンダさんは、その他に「1億円を貯めてFIREを目指した男の人生」など、お金の使い道について考えさせられる漫画を手がけている。
取材協力:ホンダアオイ(@hondagobo)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。