粉と水を混ぜると色が変わってふくらむ知育菓子(R)「ねるねるねるね」シリーズが、2026年に誕生40周年を迎える。「子どもの泥んこ遊び」から発想を得て開発された商品で、作る過程を楽しみながら、色が変わったり、ふくらんだりする仕組みを学ぶことができるお菓子だ。40周年に向けて「ねるねるねるね ぶどう味」「同 ソーダ味」がリニューアル。「チュッパチャプス」とコラボした「ねるねるねるね×チュッパ ストロベリーヨーグルト」などの新商品も発売された。「ねるねるねるね」リニューアルのポイントや今後の展望について、クラシエ株式会社フーズカンパニー事業企画室係長で広報を担当している長江舞さんに話を聞いた。
想像力やクリエイティビティを育む知育菓子を展開
クラシエ株式会社は、本物のおすしやハンバーガーにそっくりなお菓子を作ることができる「ポッピンクッキン」シリーズや、お絵描きする感覚で、いろいろな色や形のグミが作れる「おえかきグミランド」など、さまざまな知育菓子を展開。なかでも「ねるねるねるね」シリーズは3歳頃から小学校低学年の子どもに人気で、最初に手に取る知育菓子としての役割を果たしている。
「今後、知育菓子を展開していくうえで、最初に触れる『ねるねるねるね』は非常に重要な商品です。そこで小学生までに、いかに多くのお子さんに触れてもらうか。また、40周年を迎えるにあたり、ひとりでも多くのお客さまに商品を購入し、体験いただけるようリニューアルを行いました」
時代に合わせて商品をバージョンアップ
リニューアルのメインターゲットは3歳から6歳の未就学児で、知っているけど食べたことがないという層。実際に子どもに作ってもらうなどして、どういった部分が作りにくいのか、どの部分で悩んでいるのかを観察しながら、サポートする保護者の声も取り入れて、リニューアルを進めた。
「ねるねるねるね」を作る際は、トレーから計量用の四角いカップを切り離す必要があるが、「力任せに引っ張ると、トレーが裂けてしまいそう」という声があり、トレーを切り取りやすく改良した。また、作り方に添えていた写真をイラストに変えることで、文字が読めない未就学児であっても、視覚的に理解しながら作ることができる。さらに、ソーダ味のトッピングの青色ラムネは従来の「ひんやりラムネ」から「シュワシュワラムネ」へと変更したことで、飽きさせず、よりソーダ感を楽しめるようにした。
また今回のリニューアルにおいて、「酸味の調整」も大きな課題のひとつだった。「お子さんの年齢が小さいほど酸っぱい味が苦手になっているという傾向があり、それが商品購買の減少につながっているのではないかと考えました。ただ、酸と重曹でふくらんで色が変わるというのがこの商品の特徴なので、酸は欠かせません。そこで、なぜ酸っぱく感じるのかを追求したところ、粉の溶け残りによるものだとわかり、リニューアルの際には混ぜやすさの改良を行うことで、粉も溶けやすくしました」
今回のリニューアルでは、「ねるねるねるねを作る時間が、今まで以上に笑顔で記憶に残るような時間になってほしい」という思いが込められている。「慣れていない子だと、作るのに10分〜20分かかることも。ただ、ひとりでできたら『色変わったよ、見て!』と喜んでくれます。保護者の方には『できた』という喜びを与えるツールとしても使っていただけたらと思います」
幅広い年齢層・シーンで楽しめる新商品
40周年に向けて、棒付きキャンディ「チュッパチャプス」とのコラボ商品「ねるねるねるね×チュッパ ストロベリーヨーグルト」と、「ねるねるねるね」の味とシュワシュワ感を発泡ラムネで再現した「ねるねるねるね超固めちゃいました」も発売された。
「ねるねるねるね×チュッパ ストロベリーヨーグルト」は、2022年に発売された「同 レモンコーラ」に続く第2弾として登場。前回のコラボでは特に中高生にも好評で、インフルエンサーに紹介されるなどSNSでも話題になった。第2弾では「ねるねるねるね」はストロベリーヨーグルト味、「チュッパチャプス」はストロベリー味で、ストロベリーの風味をふんだんに感じられるという。ポップなパッケージデザインや、カラフルな「いちごシュガーチップ」をトッピングに採用するなど、チュッパチャプスの世界観を反映させることにこだわった。
「SNS上では、人気の2ブランドの味を同時に楽しめるということで『子どもの願いを叶えたような商品』『どちらも大好きな商品なのでうれしい』という反響がありました。また『ねるねるねるねの不思議さと、チュッパチャプスのポップさが合わさって、すごくかわいい』という声も。写真に撮っても映えるので、ぜひ実際に作ってみてほしいです」
「ねるねるねるね超固めちゃいました」は「外でもねるねるねるねを楽しみたい!」という声から生まれた。作業中や外出中でも、懐かしい味と食感を手軽に楽しむことができる。
「以前からラムネやソフトキャンディにできないかという声があり、今回ようやく形にすることができ、『あの味、再現できるじゃん』といったうれしいお声をいただいています。ねるねるねるねの新しい食シーンを作れたのではないかと思っています」
コミュニケーションを育み、時間を豊かにする知育菓子
知育菓子を含む手作り菓子の市場は、おうち時間を充実させるためのアイテムとして、コロナ禍を経て大きく成長した。また、パパママコミュニティでは、例えば「リモート会議中でも知育菓子を渡せば集中して遊んでくれる」など、在宅ワークを助けるアイテムとしても広まった。こうしたニーズの高まりを受けて、競合メーカーからも多くの新商品が発売された。
「弊社では『ねるねるねるね』をはじめ、ロングセラーの知育菓子がたくさんあります。それらの認知度を高めて、ブランドのロイヤリティを向上させると同時に、お菓子を作る楽しさや、おいしさを高めた新商品を、これからもどんどん投入していきたいです」
現在は、40周年記念商品開発プロジェクトとして、消費者の声から商品開発を行う「みんなでつくるねるねるねるね」プロジェクトが進行中だ。SNSで食べたい味を募集し、5月には子どもが試食しながら味やトッピングについて話し合う「ねるねるねるね子ども会議」の開催を予定している。
「消費者の方を巻き込んで、40周年を盛り上げていきたい」と長江さん。「子どものときに食べていた方々が親世代になり、今では子どもと一緒に作っているというようなシーンも増えてきました。知育菓子は、親子や友達とのコミュニケーションを育み、時間を豊かにするお菓子であると考えています。これからも商品を通してお子さん一人ひとりの成長に寄り添い、皆様に楽しんでいただける商品を開発していきますので、ご期待ください」
「ねるねるねるね」をもっとおいしく作るコツ
失敗してもおいしく食べられる「ねるねるねるね」。しかし作り方にはコツがあり、作る人によってふくらみ方や、きめ細かさに違いがあるそう。広報担当として、自身が作ったねるねるねるねの写真をSNSに投稿することも多い長江さん曰く、一番大切なのは「1番の粉がダマにならず、粉も残らないように、水としっかり混ぜること」。トレーに入れた1番の粉と水が滑らかになるまで混ぜていく。続いて2番の粉を投入するが、ここでは反対に混ぜすぎないのがポイント。重曹と酸味料が反応し膨らんでいく「ねるねるねるね」を潰してしまわないように、2番の粉を少しずつ巻き込みながら混ぜこもう。最後に付属のトッピングをつけたら完成。
この週末にぜひ試してみて。
※「知育菓子」はクラシエの登録商標です。
取材・文=伊藤めぐみ
撮影=三佐和隆士