日本初公開を含む約40点の作品を展示!麻布台ヒルズで「松山智一展 FIRST LAST」が開催中

東京ウォーカー(全国版)

2025年3月8日から5月11日(日)の期間中、「麻布台ヒルズ ギャラリー」で「松山智一展 FIRST LAST supported by UNIMAT GROUP」が開催。

本展は、ニューヨークを拠点にグローバルな活躍を見せるアーティスト・松山智一さんの、東京では初となる大規模個展だ。いまや世界が注目する次世代のアーティストの一人となった松山さんの日本初公開作品や最新作19点を含む、約40点以上が展示されている。

松山さんの特異なアイデンティティを通して捉えたグローバルな現代社会のリアリティを、迫力ある色彩と壮大なスケールの絵画で体感できる本展。今回は、その見どころを紹介する。

世界で活躍するアーティストの松山智一さん撮影:FUMIHIKO SUGINO


見る者を引き込む鮮やかな色彩の世界

松山さんの作品の最大の特徴が、絵画から放たれるまばゆいばかりの色彩だ。自身で作った何千という色のストックがさまざまな技法によって、キャンバスの上で共鳴している。

世界を彩る多様な文化、伝統、宗教、そして歴史的なものや現代的なもの、さらにはハイカルチャーから日常品といった要素が、松山さんによって無数の色で描かれる。そして、情報化の中で移ろう現代社会の姿を映し出し、混然一体となって鑑賞者は色彩の世界に没入することができる。

「Keep Fishin' For Twilight」(2017)


また、最新シリーズ「First Last」では、二極化が進み分断や対立が多発する現代を、キリスト教などを主題としたルネサンス期や近世の絵画を引用して捉えなおしている。

例えば、「Passage Immortalitas」という作品の人物描写は、ルネサンス期の巨匠であるサンドロ・ボッティチェッリの名作「チェステッロの受胎告知」(1489)を参照している。 大天使ガブリエルが聖母マリアにキリストの到来を告げており、美術史の中でも多くの芸術家が向き合ってきた聖書のシーンだ。

「Passage Immortalitas」(2024)


中央広場には巨大な屋外作品を展示

また、麻布台ヒルズ中央広場では、松山さんの屋外作品3点を期間限定で展示。麻布台ヒルズは街全体がミュージアムとなることを目指しており、文化施設やギャラリー、パブリックアートを設置している。

松山さんは、「アートは美術館という閉じた空間で限られた人のみに鑑賞されるのではなく、社会の中に解き放たれ、文化のインフラとして機能すること」について考え続けてきた。そんな松山さんの想いと共鳴することから、今回、中央広場での作品展示に繋がったそうだ。

展示中の彫刻作品「Wheels of Fortune」は鏡面仕上げを施し、神道で神の使いとされる鹿の角と、神を象徴すると言われる鏡に見立てた車のホイールのようなものが組み合わされている。彫刻はステンレス鋼を用いて神聖なものと工学的なものの距離感を図り、リアリティを追求した作品に。

上から「Wheels of Fortune」「All is Well Blue」


話題の「うまい棒」は一見の価値あり!

本展のサテライト企画として、国内のクリエイターと協業した「Tribute + Collaboration」作品の展示・販売も実施。本企画では現代アートの分野に限らず、ファッション、食、音楽、玩具など、幅広い表現領域で松山さんがリスペクトする表現者とともに作品を作り上げたのだとか。

「ISSEY MIYAKE」とコラボした限定コートは即日完売


コラボ作品のうちの一つが、SNSや各メディアで話題となった1本10万円の「うまい棒」だ。誰もが目にしたことがある国民的なお菓子と松山さんが共に作り上げたコンセプチュアルな作品である。「広く親しまれた商品にアートという概念を用いて新たな価値を創出することができるのか」という問いを社会に投げかける松山さんの想いに、販売元の株式会社やおきんが快諾し、実現した。

この「うまい棒」は50個限定で制作され、10万円で販売したが、なんと即日完売。展示は引き続き鑑賞できるので、ぜひ会場に足を運んでほしい。

【写真】1本10万円の「うまい棒」。気になる味は「げんだいびじゅつ味」


色彩豊かな作品をはじめ、屋外展示、コラボレーション企画など魅力的な作品が多数そろう本展。GWのおでかけ先として訪れてみてはいかがだろうか。

※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

注目情報