もうすぐバレンタインデー。手作りもいいけれど、やっぱりおいしくて手軽なチョコを買って渡したい!という人も多いはず。早速、デパ地下で海外の有名ショコラやスイーツを物色…でも、ちょっと待って! 日本にも、世界で認められたおいしいチョコレートがあるんです。
突撃したのは、日本の老舗ブランド「メリー」。東京で創業し60年、過去2度にわたり世界的なチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」で国際優秀賞を受賞したほか、2009年に新ブランド「トーキョーチョコレート」の作品“珠玉”で、3度目の受賞を果たしたという日本が誇る“実力派”。世界が認める日本のチョコレート工場に、ライターMが潜入、取材してきた!
マスクや服を身につけ、工場内に入ると、チョコレートの甘〜い香りが…。原料チョコのタンクからミルクとビターのチョコレートが、太いパイプを通り「コンチェ」という機械へ。チョコをブレンドし、大理石のローラーで粒子をさらに細かくする。こうすることで口溶けのいいなめらかな基礎が作られるのだ。
そして、メリーならではのおいしさ・美しさのひと手間を発見! コーティングしたチョコレートなどに、一つ一つ丁寧に絵付けがされる。なんとこの作業、すべて手作業(!)なのだ。プロの技を感じる細かさと腕に脱帽です…。「花の絵付けは1色ずつ、部分ごとに書いていきます。絵がそれぞれ微妙に違うのは、手作業ならではですね」と話してくれたのは、メリー大森工場の市瀬工場長。これこそが、世界に誇る日本の技術なんですね。
サロン・デュ・ショコラで国際優秀賞を受賞した、“珠玉”も、もちろん手作業。江戸から伝わる和モチーフをイメージして作られたチョコレートは、工芸技法の“象嵌(ぞうがん)”や“螺鈿(らでん)細工”のような美しさ。フランスのショコラティエたちも、この美しい模様の作り方に興味津々だったという話も納得だ。
今回は特別に、デコレーションを体験させてもらった。ロリポップチョコに顔を書くというデコレーション、簡単そうに見えてかなり難しい…。細かい作業に手がプルプル震え、“点”を書くことすら素人には困難。出来上がったのは、口が曲がったなんともブサイクな表情のチョコレートだった。「この作業、忙しい時は1人で1日600個を描くこともあるんですよ」と市瀬工場長。職人の技に脱帽です!
手作業で作られる、おいしくて美しい世界の技。バレンタインのプレゼントはもちろん、自分買いでも楽しめちゃいそう。食べる時は、ぜひじっくり見て味わってみて。【東京ウォーカー】