「わんちゃんの腸活事情」飼い主の6割が必要性を認識も実践は3割にとどまる調査結果

東京ウォーカー(全国版)

近年、人間の健康維持に欠かせないものとして注目されている「腸活」だが、実はわんちゃんにも重要だということをご存知だろうか。大正製薬が実施した「わんちゃんの健康に関する意識調査」から、愛犬の腸内環境を整えることの大切さと、飼い主たちの意識の実態が明らかになった。

愛犬の健康、飼い主の半数以上が不安を感じている

大正製薬は2025年1月、わんちゃんを飼っている全国の男女400人を対象に「わんちゃんの健康に関する意識調査」を実施した。対象となったのは、子犬(0〜2歳)、成犬(3〜7歳)、中高齢犬(8〜10歳)、高齢犬(11歳以上)各100頭の飼い主。

【画像】飼い主さんの約半数(49.0%)が愛犬の健康を心配している


調査結果によると、飼い主の約半数(49.0%)が愛犬の健康に何らかの不安を感じていることがわかった。気になるポイントは年齢によって異なり、子犬では「下痢」(22.0%)、成犬は「運動不足」(25.0%)、中高齢犬・高齢犬ではそれぞれ「高齢からくる衰え」(26.0%・46.0%)が最も多く挙げられた。

おなか周りを心配している人が32.4%

子犬は「下痢」(22.0%)、成犬は「運動不足」(25.0%)、中高齢犬・高齢犬は「高齢からくる衰え」(26.0%・46.0%)がトップ


「腸活は必要」と考える飼い主が6割も!

調査では、わんちゃんにも腸活は必要だと思うかという質問に対して、過半数(60.0%)の飼い主が「必要」と回答しており、関心の高さがうかがえた。しかし、実際に腸活を取り入れている飼い主は、約3割(28.5%)にとどまっている。これは「腸活している」「たまにしている」「したことはあるが、今はしていない」と回答した人の合計であり、「必要」と考える人の約半数程度。理想と実践の間にはまだギャップがあるようだ。

過半数(60.0%)の飼い主さんが「わんちゃんにも腸活は必要」と回答。実際に実践しているのは約3割(28.5%)にとどまるものの、徐々に浸透している


愛犬の腸活、どんなことをしてる?

実際に腸活を取り入れている飼い主は、具体的にどのようなことを行っているのだろうか?最も多かったのは、「ヨーグルト・チーズ・納豆などの発酵食品で腸内環境を整えるための乳酸菌を補給」(44.7%)だった。次いで「善玉菌を増やす食物(りんごやバナナなどの果物・カボチャ・サツマイモなど)」(35.1%)が続く。これらは人間の腸活とほとんど変わらないアプローチと言える。

腸活で実践しているのは、「ヨーグルト・チーズ・納豆など発酵食品」(44.7%))、「善玉菌を増やす食物」(35.1%)が上位に


「腸内環境を整えるサプリメント」も22.8%と一定の支持を得ており、「食品添加物の含有や塩分」(21.9%)や「おなかの冷え」(18.4%)に気を配っている飼い主も少なくない。愛犬の健康のためなら、できることは何でもしてあげたいという飼い主の愛情が伝わってくる。

獣医師が教える!愛犬のための腸活のポイント

CHICOどうぶつ診療所の所長である林美彩先生によると、犬の平均寿命は15歳前後まで延びているそう。しかし、長生きするだけでなく健康に過ごせる「健康寿命」を延ばすことが大切であり、そのために腸活は有効だという。ここでは、わんちゃんの腸活のポイントを教えてもらった。

CHICOどうぶつ診療所所長 林美彩先生


腸の健康状態は便でチェック

健康なわんちゃんの便は、1回で2本程度がスムーズに排泄され、地面にうっすらと跡がつく程度にしっとりとしているのが理想的。表面がなめらかで、軟らかいソーセージ状またはとぐろを巻いた状態であれば良好とされる。

特に注意が必要なのは、体の機能が未発達な子犬や、機能が低下している高齢犬。下痢や便秘を起こしやすい傾向があるという。また、わんちゃんは人間よりも胃酸が強いため、アレルギーや腸の粘膜に炎症を引き起こす病気、さらには冷えなどが原因で下痢になることもあるので注意が必要だ。

腸活の基本は食事から

腸活の基本は、人間と同様に食事とされている。わんちゃんは基本的に肉食のため、動物性タンパク質を多めに、炭水化物は少なめにするのがよいとされている。野菜は消化しにくいものの、食物繊維を摂取できるため、腸活を意識するなら取り入れるとよいそうだ。

ドッグフードを選ぶ際には、添加物が少なく原材料が食材のみのものを選ぶことがおすすめだという。また、食品として安全面に配慮して製造されているもの、ドライフードなら高温調理されていないものを選ぶとより安心だ。

子犬や高齢犬には、体調管理のためにサプリメントを活用するのも一つの方法。ただし、目的を明確にして与えることが大切だという。

腸内環境を整えることで心身ともに健康を保つ腸活は、人間だけでなく愛犬にとっても有効


避けるべき食べ物と生活習慣は?

腸内環境を悪化させる添加物や酸化脂質、下痢や便秘の原因となるカゼインや乳糖、消化されにくいレクチン、肥満やアレルギーを引き起こすグルテンなどには注意が必要。また、味の濃いものや脂質の高いものも体に負担をかけるため、ネギやチョコレート、お酒、タコ、イカ、イチジク、ブドウ、アボカドなどは与えないようにしよう。

健康的な生活習慣も腸活には欠かせない。ストレスの少ない環境づくり、適度な運動、十分な睡眠が重要だという。

・ストレスの少ない生活
ストレスが多いと下痢や腹痛、血尿、嘔吐などの体調不良を引き起こす。環境の変化を最小限にし、適度なコミュニケーションをとって、心穏やかに過ごせる環境を整えてあげよう。

・適度な運動
散歩は1日2回が理想的。犬種によって適切な時間は異なり、超小型犬は20〜30分/回、小型〜中型犬は30分〜1時間/回、大型犬は1時間以上/回が目安となる。ただし、外が苦手なわんちゃんもいるので、無理せず室内での遊びで運動量を確保するのもOK。

・十分な睡眠
犬の平均睡眠時間は12〜15時間で、成長期や高齢期はさらに長くなることもあるという。快適に眠れる環境を用意することが大切。

・口腔環境の管理
犬は歯石ができやすく、歯周病にもなりやすいため、毎日の歯磨きを習慣化するといいそう。人間と同様に、歯間や歯周ポケットも入念にケアすることが重要だ。

健康な腸内環境は、免疫力の向上や健康寿命の延長にもつながっていく。愛犬との幸せな時間をより長く過ごすためにも、日々の食事や生活習慣に「腸活」の視点を取り入れてみてはいかが。獣医師さんのアドバイスも参考にしながら、あなたの愛犬に合った腸活を始めてみよう!

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

注目情報