薄暗い森の中を逃げる女性と、それを追う黒い影。不穏なワンシーンから始まるこの漫画。女性はなぜ追われているのか、彼女の安否はどうなるのか?
のどかな田舎町で、若い女性の行方不明事件が相次いでいた。警察の捜査をあざ笑うかのように手がかりは一切ない。そんななか、「あずかり屋」を営む青年は、森で倒れている女性を発見。女性は全身ケガだらけながらも命に別状はなく、ただ記憶をすべて失っていた…。
本作『縁(よすが)のあずかりもの』を描いたのは、漫画家の湊月さん(@mizunashi1025)。大学在学中に漫画雑誌の賞を受賞後、社会人になってウェブ漫画にシフトし、『氷のような夏は恋に溶ける』でデビューした。今回は、湊月さんに本作について話を聞いた(前編)。
デビュー作の原型…「事件が起こる夏の田舎町」が共通の舞台
湊月さんは、本作『縁(よすが)のあずかりもの』が、デビュー作『氷のような夏は恋に溶ける』のプロトタイプ(原型)だと明かす。2019年に描かれたこの作品は、「その年に観た映画から着想を得て、さわやかな空気感と訳ありな少年少女や疾走感のあるお話が描きたいなとふんわり思ったのがきっかけだった」という。
この読切作品が直接デビューに繋がったわけではないが、約2年後、別の企画が立ち消えそうになった時期にこの作品の存在を思い出したそうだ。設定をブラッシュアップし、企画書を担当編集に送ったところ、気に入ってもらえ、打ち合わせを重ねて連載へと繋がったと明かす。
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