『東京ウォーカー』の1000号特別企画に、“身内”も参戦! 全国のイベント情報や最新の街ニュースを発信する『ウォーカープラス』の編集長・浅野祐介が、平成史に残る一大イベントの写真を寄せてくれた。「あれがキャリアのターニングポイントになりました」と自負する、15年前の出来事とは?
スーパースターの“影響力”を見て転職を決意!?
――当時の僕はメンズファッション誌の編集者だったのですが、運良く仕事を通じて試合を観戦することができたんです。『こんなにも人に影響を与えることができるのか』と、会場を埋め尽くすファンの熱気に触れて、もともと好きだったサッカーの魅力を再確認しましたね。
当時のサッカーフィーバーを象徴する写真として浅野が選んだのは、イングランド代表選手として来日していたデビッド・ベッカムの一枚だ。
――日本人選手の名前を挙げたいところですが、ベッカムはサッカーに疎い女子でも名前を知っているほどブレイクしていましたし、男子もこぞって髪型を真似していましたよね。日本中がベッカムに恋をしていたんです(笑)。そんなスーパースターの存在も含めて、僕も次第に“スポーツの力”を届ける側になりたいと思うようになりました。
その後、会社を移ってサッカー専門誌の編集者になり、紙(雑誌)だけではなくWEBの製作も経験。編集長として『ワールドサッカーキング』を月間3,000万PVのサイトに成長させ、その経験を生かして現在は『ウォーカープラス』で指揮を執っている。
――『東京ウォーカー』を中心に組織として長年培ってきた取材力をベースに、今後もユーザーの方々に楽しんでいただけるコンテンツを作り続けたいですね。出版業界は長年に渡り不況に直面しており、WEB媒体もコンテンツの定義をしっかりと考え、ユーザーを動かせるコンテンツを作り、それを作るだけでなく、ちゃんと見てもらうための工夫を凝らさないと淘汰されてしまいます。“平成”という字面とはほど遠い激動の時代ですよね(笑)。
「時代を憂う中年のボヤき」ではない。逆境を嘆くか、糧とするかは、捉え方次第だ。
――何かと試行錯誤が求められますが、真摯に仕事と向き合わなければならない時代に働けるのは恵まれているような気もするんです。だからこそ、今回の企画で読者の皆さんと一緒に改めて“平成”を振り返ることで、新しい時代に向けて決起することができれば嬉しいですね。
一人の編集者として、かつてワールドカップで感じた刺激や、スポーツの魅力を届けたいという情熱も忘れていない。虎視眈々と狙っていることがある様子。
――個人的な目標としては、いつか『スポーツウォーカー』を立ち上げたいですね。媒体名は仮ですが(笑)。サッカー以外にも幅広いジャンルのスポーツ情報をユーザーの皆さんにお届けしていきたいなと。東京オリンピックが開催されることですし、平成14年のワールドカップに負けないほど日本中が熱くなるのは間違いありません。“東京”という名のつく媒体の作り手として、何らかの形で盛り上げていきたいと思っています。
【取材・文=浅原聡】写真=Colorsport/アフロ