樹木の年輪のようなケーキ“バウムクーヘン”は、90年前に日本に上陸。近年は、大行列のバウムクーヘン専門店「ねんりん家」の登場で、再び脚光を浴びている。そこで、スイーツに詳しい“東京おやつ賢人”4人が、「おいしいバウムクーヘン」をセレクトした。
おすすめのバウムクーヘンをセレクトしたのは、スイーツコーディネーターの下井美奈子さん、カリスマブロガーのスイーツ番長さん、「味噌ガーナ」を開発したラーメン店「麺屋武蔵」の矢都木(やとぎ)二郎さん、そしてスイーツコミュニティサイトを主催する平岩理緒さんの4人。
■「ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ」が作る「バウムクーヘン」(3150円・20層 直径14.5cm 厚さ7.5cm)
09年にバウムクーヘン本場のドイツから初上陸した、創業100年の老舗ブランド「ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ」では、ドイツの厳格な品質基準、「小麦粉:バター:砂糖:卵の割合=1:1:1:2」に従ってバウムクーヘンを作る。濃厚なバターの香りと卵のおいしさが生きていて、しっとりとした食感がたまらない。植物の油脂を使用せず、成分比率を守った伝統の味だ。
「食べ比べの基準として1度は食べてもらいたい逸品!」と平岩さん。周りの砂糖の量と生地のバランスもちょうど良い上に、バニラビーンズも目で見えるほど多く入っているとあって「ふんわり柔らかな香りに誘われちゃいます」と下井さんも絶賛。矢都木さんは「バニラの香りなど全体的に口に合いやすいですね。砂糖のカリカリ具合もさりげなくて、やりすぎてないところが好きです」
■「和のねんりん家」が作る「ストレートバーム 和菓子の芽 ゆず」(1155円・22層 直径15cm 厚さ4cm)
羽田店では、多い時には1日約700個売れるほどの人気で知られる行列店「和のねんりん家」。「ストレートバーム 和菓子の芽 ゆず」は、ユズピールのペーストを生地に練り込み、ふっくら柔らかく焼き上げた和風バウムだ。層から漂うユズの香りと味わいがさわやか!
平岩さんは、「柔らかタイプのバウム。このユズの風味が広がる味わいはクセになりますよ。“おもたせ”にはオススメです」とイチオシ。矢都木さんは、「味自体がおいしいのはもちろん、昔からあるものを視点を変えて新しい形で出す。温故知新ですよね。同じ飲食関係者としても勉強になります」と話す。
■「洋菓子ヴィヨン」が作る「ヴィヨネット・ポム」 (1430円・12層 直径9cm 高さ8cm)
「洋菓子ヴィヨン」では、1965年の創業以来、店主の大年壮(おおとしさかえ)さんが、丁寧に焼き上げている。美しい花器のように見える「ヴィヨネット」シリーズは、果実のゼリー入りで人気商品。ひと口ごとにみずみずしさを感じる。
スイーツ番長さんは、「まずは、デザインのすばらしさ。そして、リンゴ形のバウムクーヘンと青リンゴのゼリーは相性抜群です。砂糖のパリパリ感もGOOD!」と、見た目だけではない実力に感動。下井さんは、「歯応えしっかり系のバウムクーヘン。食べ応えがあって気に入っています」と、生地のしっかり感に満足する。
ひと口にバウムクーヘンといっても、それぞれ違った味わいや見た目に仕上げられている。日本人の味覚に合うアレンジが施されたものや、多くの愛好者生み出した逸品を楽しんで、自分の好みを見つけてみてはいかが?【東京ウォーカー】