妻夫木聡、主演映画『宝島』宣伝アンバサダーに就任!「沖縄を舞台にしていますけど、日本の物語」

東京ウォーカー(全国版)

俳優の妻夫木聡さん、広瀬すずさん、窪田正孝さん、大友啓史監督が2025年5月5日、映画『宝島』の完成報告会見に出席した。本作は、第160回直木賞をはじめ、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞の三冠を達成した真藤順丈さんによる同名小説が原作。

映画『宝島』完成報告会見に参加した(左から)窪田正孝さん、妻夫木聡さん、広瀬すずさん、大友啓史監督


物語の舞台は1952年、アメリカ統治下の沖縄。米軍基地から物資を奪う“戦果アギヤー”の若者たち、グスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)、そしてリーダーのオン(永山瑛太)がいた。ある夜、オンは“予定外の戦果”を手に入れ失踪。残された3人は、オンの謎を追いながらそれぞれの人生を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境で、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発。そして、オンが持ち出した“何か”を巡り、米軍も動き出す。消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか?そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とは——。

宣伝アンバサダーに就任した妻夫木聡さん。「この映画は沖縄を舞台にしていますけど、日本の物語です。そして皆さんの物語だと思っています」

同作の宣伝アンバサダーに就任し、大友監督とともに全国を回ることが発表された妻夫木さんは、「この映画は撮っているときから、ぜひ皆さんの前に立って、会いに行って宣伝したいなと思っていて。映画を超える存在になっているこの作品を体感してほしい。『ウォーターボーイズ』の宣伝のときに監督と一緒に全国を回って、行った土地でその映画がその人のものになる姿を拝見しました。まさしくこの映画はそうあるべき映画なんじゃないかなと思ってます!」とコメント。「この映画は沖縄を舞台にしていますけど、日本の物語です。そして皆さんの物語だと思っています。人生のバトンの物語として受け継がれていって、未来にバトンを渡すため、皆さんに映画を観てもらいたいです。皆さんに直に届けに行こうと思います!」と意気込みを語った。

2019年に企画が立ち上がった同作は当初、2021年にクランクイン予定だった。しかし、コロナ禍によって2度の撮影延期に。実際にクランクインできたのは昨年(2024年)2月だった。

主人公・グスクを演じた妻夫木さんは念願の本作の完成について「この映画は2回ほど延期になっていて、3度目の正直でやっと完成を迎えることができました。完成報告会見として今日を迎えることができて感慨深いです」と笑みを浮かべた。また、オファーを受けた際の心境について「舞台となったコザが以前出演した『涙そうそう』から続くことで、縁があるなと感じていました。なので、自分はどこかでコザに導かれたのかもしれないと思いました。沖縄には今なお続く問題もあって、現地の方の声にならない言葉を表現する使命感があった」と語った。

【写真】広瀬すずさん「沖縄にある問題を体現、表現することは覚悟のいることで難しいこと」

窪田正孝さん「戦争や当時のものを舞台にした作品を演じる役者にとって、死の価値観の違いを認識しなければいけない」

ヤマコ役の広瀬さんは「沖縄にある問題を体現、表現することは覚悟のいることで難しいこと。原作では、登場人物は男性が多いなかで太陽のような存在のヤマコという存在が眩しくて。彼女の持っている覚悟を自分ができれば良いなと思った」と胸の内を明かし、レイ役の窪田さんは「戦争や当時のものを舞台にした作品を演じる役者にとって、死の価値観の違いを認識しなければいけない。暴力という選択肢しかない時代と、役者という仕事を通して、大友監督の元で『宝島』に出演することで改めて原点、人間の生き様を荒々しく表現できることが画面から出ているのかなと思いました」と思いを口にした。

大友啓史監督「役者たちがそれを感じて演じてくれたんだなと、改めて思いました」

映画化するにあたり「原作を読んだときから生きるエネルギーを痛切に感じていた」と語った大友監督は、「沖縄に宿る魂が直接、時空を超えて語りかけてくるような、原作から感じたパワーをどうやって映像に活かしていくか。いろんなことがあるなかでも日々生きていくんだという決意を自覚し、その決意を誰かと連帯し、また大きなパワーになり、一つの歴史となり、今の我々とも繋がっているということ。それを映画というメディアが相応しいかわからないけれど、映画を通して彼らの人生を追体験してもらいたい。役者たちがそれを感じて演じてくれたんだなと、改めて思いました」と俳優陣の熱演への感謝を述べた。

そして、物語のカギを握る英雄オンを演じた永山瑛太さんからのビデオメッセージも到着。「この役を演じるということの重圧にどう向き合えばいいかという葛藤はあったけど、大友監督や共演者の妻夫木くん、窪田くん、すずちゃんに全部委ねてもいいかなというつもりで、身を投げるような気持ちで今回は役に挑みました」「完成した作品を拝見したときに、何度も涙腺の弱い私はボロボロに。試写場で周りの方々にバレないように、涙を拭きながら観ました。本当にたくさんの方に観ていただきたいな、という作品に仕上がっていました」という熱いメッセージが会場の4人へと届けられた。


『宝島』は、失われた故郷を取り戻そうとする若者たちの熱い思いと、激動の時代を生き抜いた人々の魂の物語。2025年9月19日(金)の公開を心待ちにしながら、この作品が私たちに問いかける「生きること」の意味、そして沖縄の歴史と現在について、今一度思いを巡らせてみてはいかがだろうか。

映画『宝島』ティザービジュアル


映画『宝島』作品情報
出演:妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太
監督:大友啓史
原作:真藤順丈『宝島』(講談社文庫)
公開:2025年9月19日(金)より全国公開
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(C)真藤順丈/講談社 (C)2025「宝島」製作委員会

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