小さな閉ざされた村で、ひとりの少女が“鎮守の森の神”へ生贄として差し出されていた。死を覚悟した少女は目を閉じ、心の中でつぶやくのだった、「私は二度捨てられた」と…。彼女の命が儚く散ろうとしたその瞬間、間一髪のところで騎士が少女を助け出した。彼の正体は…?そして少女がつぶやいた「二度捨てられた」の意味とは?
本作のタイトルは『コムラサキは二度捨てられ愛を知る』。主人公は生贄に差し出されていた少女・小紫である。小紫には幼なじみのやさしい婚約者がいたが、義理の妹に取られ、あっけなく婚約破棄され捨てられた。その後、神への生贄として村からも捨てられたのだった。
そんな小紫を助けに来たのは、帝都守護隊の隊長・宮守礼人だった。宮守は怪異専門職に就いており、本物の“鎮守の森の神”に頼まれ、小紫を救いに来たのだという。実は村人が崇めていたのは、神ではなくもののけ。そして本物の“鎮守の森の神”は小紫を“愛し子”として愛していたのだ。愛し子に害を成した村は神の加護を失ってしまう。
本作の作者は、夏野ばな菜(@NatsunoBanana)さんである。企業漫画や子ども向け学習図鑑の挿絵などの仕事をしつつ、「ジャンプルーキー!」にオリジナル漫画を掲載している漫画家である。夏野ばな菜さんに本作について話を聞いてみた。
――大正時代をモチーフにした和風ファンタジーで、服装や背景も細かく美しく描かれており、見応えがありました。時代ものを描かれるのは珍しいように思うのですが、描いていて楽しかった部分は?
以前から幕末〜明治など、時代の移り変わりで和洋交わった洋装とかに興味があり、いつか描きたいと思っていました。今回も、洋館だったり車だったり、調べて描くのは時間もかかりましたが楽しかったです。実は洋館は半日かかりました(笑)。
――今後の新作のご予定などを教えてください。
基本は『SSS』(※現在連載しているリーマンラブコメディ漫画で、『SS』の続編にあたる)を描いていきますが、そのときの直感で「おもしろい!描きたい!」と思ったものを「ジャンプルーキー!」などに掲載していきたいです。まだ掲載していないバトル漫画や謎解き少女漫画もありますので、そのうちご紹介できればと思います。そのほか、新規のお仕事も募集中です!
夏野ばな菜さんのインタビューにもあった『SSS』について、どのような作品か尋ねると「楽しい職場と愉快なサラリーマンたちが繰り広げるラブコメディがスタートで、現在は登場人物たちが結婚し、家族が増え…そんなにぎやかな日常を描いています」とのこと。人と人のつながりを描いた人間味あふれる物語となっているので、本作を読んで夏野ばな菜さんの作品が気に入った人は『SSS』もぜひ読んでみて!
取材協力:夏野ばな菜(@NatsunoBanana)
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