いじめを受ける少年の毎日は灰色だった。だから彼は思ってもいなかった、“彼女”にまた会えるだなんて――!!本作『笑うゾンビガール』は「ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)」に掲載された読み切り作品である。
ある朝、担任教師は生徒たちに“彼女”をこう紹介した。「事故で亡くなった間宮が、ゾンビになって戻ってきたぞ!」と。ゾンビとなった間宮灯(あかり)には生前の記憶がないという。クラスメイトたちは一瞬ザワついたものの、笑顔で彼女を受け入れた…ただひとり、主人公の少年を除いては。
センシティブな題材である本作の作者はスドウショウ(@ShoSudo)さんである。スドウショウさんに話を聞くと、「今まではほのぼのとしたやさしいお話が得意と思って描いていたのですが、編集さんのすすめもあってホラー、ダーク寄りの作品を描いてみると結構ハマりまして…。今はどちらも描くのは楽しいです」と話してくれた。さらに詳しく話を聞いてみた。
――本作品のコンセプトや作品に込めた想いなどをお聞かせください。
灯ちゃんのセリフにもありますが「理不尽な理由や都合で誰かの人生を狂わせることは絶対にしちゃいけない」ということは伝えたかったのかなと思います。センシティブな題材ではあるのですが、作品としてもおもしろくなるように驚きポイントや主人公2人のかわいらしさはしっかり描くようにしました。
――「イジメする人って大体こんな感じ」「めっちゃリアル」という読者からの声がありました。気をつけて描いた点など教えてください。
自分も中学生時代に無視されたり悪口を言われていた時期があったので、そのときの感情や状況などを思い返しながら描きました。さすがに自分の学生時代の経験だけでは演出的にも足りない部分があったので、いじめを題材にした小説を読んだり、映画、ドキュメンタリーなどをたくさん観たりしましたね。
いじめをする人っていうのは理由は特になくって、ただ暇つぶしとかストレス発散とか、理不尽な理由がほとんどだと思うので、そういう”人の怖さ”も描ければと思いました。
生前の記憶を失い、ゾンビとなって蘇った間宮灯だったが、戻ってきた世界は楽しいものではなかった。まだ残されていた自分のロッカーを開け、彼女は唖然とする。そこには悪意あふれる落書きの数々が…!「あれ?私いじめられてた?」と気づく彼女の背で「ヤバくない…?間宮さん、絶対復讐しにきたんだよ」とヒソヒソ声が。彼女がゾンビとなってまで戻ってきた理由は、噂の通り復讐のためなのか、それとも――!?
スドウショウさんは現在、オリジナルの読切作品や連載作品、コミカライズなど準備中のものを多く抱えている真っ只中だという。本作を読んで気に入った人は新作を心待ちにしてみては?
取材協力:スドウショウ(@ShoSudo)
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