ある日目覚めたら、「早く起きて!」と泣き叫ぶ見知らぬ少女が目の前にいた――というシーンから始まる本作『泣き虫おばけ』。「誰?」と聞くと「おばけ」と答えた少女は、とにかく冒頭から泣く・泣く・ひたすら泣くのオンパレード…!そんなとんでもなく泣き虫なおばけと出会ったのは、不幸体質の高校教師だった。
本作の作者は、オリジナルの読切作品や連載作品、コミカライズなど準備中のものを多く抱えている真っ只中の漫画家・スドウショウ(@ShoSudo)さんである。『泣き虫おばけ』は幽霊ものの作品だが、読者から「もう憑き合っちゃいなよ」というツッコミも入るほどほのぼのとしたコミカル作品である。スドウショウさんに本作について話を聞いてみた。
――おばけをとんでもなく泣き虫にした理由を教えてください。
おばけに出会うってけっこう不幸なことだと思うんですけど、かわいいおばけだったらむしろハッピーでは?という発想からだったような気がします!
――「泣き虫なおばけ」と「不幸体質の高校教師」という両者ともに弱いキャラですね。この構想にした理由は?
泣き虫な幽霊だったら全然怖くないなぁ~と思いまして!そして、そんなホタルと出会ったことによって不幸体質の高校教師の日常が楽しくなるという構図を作りたかったんです。
――本作のなかで「細かいところだけどここを見てほしい」といった点はありますか?
ホタルのコロコロ変わる表情は描いてて楽しかったのでそこですかね。泣いている顔も笑っている顔もどちらもかわいいのでぜひ見てほしいです!
本作『泣き虫おばけ』はほのぼのとした世界観が魅力の作品だが、実はスドウショウさんはいじめを題材にしたセンシティブな作品も描いており、「ガンガンONLINE(スクウェア・エニックス)」に読み切り掲載されている。
話を聞くと、「今まではほのぼのとした優しいお話が得意と思って描いていたのですが、編集さんのすすめもあってホラー、ダーク寄りの作品を描いてみるとけっこうハマりまして…。今はどちらも描くのは楽しいです」とのこと。絵のタッチはほのぼのとしたまま、壮絶ないじめを描いた『笑うゾンビガール』は、読んだ人から「イジメする人って大体こんな感じ」「めっちゃリアル」という声があがった話題作。いじめられっ子が死後ゾンビとして蘇って学校に戻ってきたのは、復讐のためか!?『泣き虫おばけ』を読んだあとは、ほのぼの系を描いてきた作者が贈るダークなホラーもぜひ読んでみて。
取材協力:スドウショウ(@ShoSudo)
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