かなは、夫と娘の3人暮らし。アレルギーがある夫のために手作りの食事を作り、足の悪い義母の面倒をみながら、パートをこなす。生活に過不足はないのに、どこか虚しさを感じている毎日。そんな妻の心を揺らしたのが、パート先の店長だ。店長とこっそりと会うようになったある日、夫に不倫がバレた。離婚したくない夫は「不倫をしてもいい」と、店長と会うことを許しーーグラハム子さん
(@gura_hamuco)
の「夫の公認なら不倫していいですか?」を紹介する。公認不倫というセミフィクションを描いた本作の秘話にも迫る。
不倫はされる側にも問題あり?
主人公かなが勤めるパート先に新しい店長がやってきた。夫にときめかなくなって数年、目の保養にパートに行くのが楽しみになった。店長と仕事について話し合っているうちに、外でも会うようになっていき、不倫がばれても夫が不倫を公認する…本作「夫の公認なら不倫していいですか?」は、そんなセミフィクション作品だ。
グラハム子さんが本作を描いたきっかけは「実は担当さんからの提案だったんです。どうやら不倫漫画は今の世に需要があるそうなんです。私としては、最初はちょっと悩みました。でも、チャレンジしてみよう!と描くことにしました」とのこと。セミフィクションのため、公認、非公認関係なく不倫の経験者を探し、取材を重ねたというグラハム子さん。「誰か1人の体験談というよりも、いろいろな人の経験を混ぜ合わせてできたのが今回のお話です」と制作当初を振り返る。ソフトな作画で描かれる本作だがその心理描写にはとてもこだわりがあるのだそうで「不倫漫画って『シタ夫とサレ妻』『サレた側の心情に寄り添ったストーリー』が圧倒的に多いんですよね。なら、私は『妻がシタ側で、シタ側に寄り添ったストーリーにしよう!』と思いました」とグラハム子さんは話してくれた。
グラハム子さんは取材を重ねるなかで、「取材前は不倫は一部の人がやっているだけの、自分とは縁遠いものだと思っていました。でも、取材をしていくうちに、実はどこにでもありふれているんだと感じました」と誰でも可能性はあると取材前後で不倫への解釈が変わったそうだ。
不倫は認められていないが、夫が公認したのなら?本作は、不倫をする妻側の心理を描いた注目作。ぜひ、読んで頂きたい。
取材協力:グラハム子(@gura_hamuco)
※記事内に価格表示がある場合、特に注記等がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。