“もったいない精神”を追求!スターバックスの新店・うめきたグリーンプレイス店

東京ウォーカー(全国版)

“もったいない精神”を追求!スターバックスの新店・うめきたグリーンプレイス店

2025年3月に大阪駅に新しく誕生した商業施設「うめきたグリーンプレイス」の2階フロアに、「スターバックス コーヒー うめきたグリーンプレイス店」がオープンした。大阪ならではの“もったいない精神”を追求した、大阪らしさが感じられる工夫が随所に散りばめられている。その魅力を紹介しよう。

新しい梅田で、大阪らしさを感じる店に

JR大阪駅西側エリアは、約45000平方メートルの都市公園「うめきた公園」を内包したまち「グラングリーン大阪」の開発が進められている。うめきたグリーンプレイス店は、グラングリーン大阪とJR大阪駅をつなぐ商業施設の2階にあり、うめきた公園に隣接。100坪を超える広い店は、一面が窓ガラス張りの開放感のある空間で、うめきた公園の芝生やランドマークの大屋根を望む。

うめきた公園から見た、うめきたグリーンプレイス


メインエントランスを入ると、壁面中央にあるバーカウンターを中心にベンチシートが配され、奥には階段状の客席が目を引く。入り口から階段席に向かって、コーヒー農園やコーヒー豆のストーリーの中に大阪のエッセンスを含んだあざやかなアートが壁面を彩り、ワクワク感が募ってくる。

大阪の活気を感じさせる明るい色使いの店内


「大阪市を中心とした地域とのつながり、地球環境への配慮、緑豊かな周辺環境への溶け込みを大切にしてデザインしました」と語るのは、店舗デザインを担当したスターバックスのストアデザイン・コンセプト部の佐川さんだ。公園を中心に形成されている新しい梅田の眺望を存分に楽しめるよう、座る席によって目線が変わる面白さをプラスしている。また、壁面のアートには、大阪府の地形やサイレンの尾のモチーフが隠れているという遊び心も。

座る席によって目線の高さが変わるのが面白い

右の方にサイレンの尾が、左の方に大阪府が隠れている


そしてこのロケーションに、この店ならではのエッセンスをどう加えるか…。佐川さんが見つけた答えが、大阪ならではの“もったいない精神”だ。

大阪はかつて天下の台所といわれ、商人の町として発展した歴史がある。
「長年再開発をしてきたエリアにできるので、大阪を代表するフラッグシップとなる店にしたいという想いがありました。大阪の文化である、物を大切に余すことなく使う“もったいない精神”をデザインコンセプトにし、店内空間で表現しています」
素材を工夫して無駄なく使ったり、将来的に再生できる素材や地域の建材を使うなど配慮した店舗づくりが行われている。そのいくつかを見ていこう。

もったいない精神とサステナブルが融合

レジカウンターや商品棚にある緑色のパネルは、実は役目を終えたグリーンエプロンをアップサイクルしたもの。グリーンエプロンを裁断・圧縮して作られたこのパネルは、壁面のアートにも使用されている。

グリーンエプロンをアップサイクルした素材でできたレジカウンター

グリーンエプロンのアップサイクルについて店舗内で展示紹介されているので注目


床や一部の壁面には、店舗で廃棄となったマグカップや皿を混ぜこんでいる。マグカップや皿の収集は、梅田地区の店舗に協力を依頼。そこには「みんなの力、想いが集まってできたお店だと地域のパートナー(従業員)にも実感していただけるものにしたかったから」という佐川さんの想いがある。

廃棄予定だった器が、この店ならではの質感を添えている


ほかにも、カラフルなスツールの素材は、100%再生プラスチック。おおさか河内材のヒノキを使ったベンチ席のテーブルは、ベンチ制作時に出た端材を加工して作っているという。

一見大理石のようなスツールは、再生プラスチック製

大阪産のおおさか河内材のヒノキを使ったベンチシートやテーブル


これらは資源を“再利用したもの”だが、興味深いのは、“これから再利用できるもの”もあること。通常は壁面の中に入っている下地材を、壁面の一部に、あえてそのまま店舗の意匠として活用。何年か先にある未来を見据え、例えば店舗をリモデルする際に、この下地材はほかの店舗の下地材として利用することができるという。

左側のシルバーの壁が下地材。これ以外にも再利用できる素材が壁面に利用されている


「このプロジェクトにかかわる社内外の多くの人からの熱量を感じ、それに後押しされ、新しいことにチャレンジができました。お客様には、楽しく過ごしながらサステナブルを感じていただけたらうれしいです」と、佐川さん。現代のサステナブルに通じる “もったいない精神”に、大阪らしい明るさや遊び心を加えたワクワクする店が、うめきたグリーンプレイス店なのだ。

自然と人が集まる公園のようなお店に

こうした情熱は、店舗で働くパートナーたちにもしっかりと伝わっている。「公園って、『あそこに行ったら誰かいるだろう』と人が集まりますよね。このお店も、そんな公園のベンチのような存在になれたらいいな」と語るのは、ストアマネージャー(店長)の高田さんだ。

スターバックスでは店舗ごとに店づくりの指針となる店舗ビジョンがあるが、うめきたグリーンプレイス店の店舗ビジョンは「#BE GREEN」。

「グリーンの中に、縁(EN)という言葉も入っています。いろいろな方がかかわってできたお店。これからは私たちがお客様との縁をつくっていきたいです」と、高田さん。

ストアマネージャーの高田さん


店の前には、うめきた公園へ続く歩行者デッキがあり、朝晩は通勤通学の人々、日中は公園を散歩する人、そして国内外から訪れる観光客など多様な人たちが行きかう。公園の芝生にはレジャーシートを広げ、周辺店舗からテイクアウトしたフードやドリンクと共にくつろぐ人たちの姿も見られる。そんな人たちに「おかえりなさい」を言える店にすることが、高田さんをはじめとするパートナーたちの目標のひとつだという。

オープンに当たり、梅田をはじめ大阪各所からパートナーたちが集結


「うめきた公園には、ゴミ箱がありません。お客様がゴミをお店に持って戻ってきてくださる、『こんにちは』以上に『おかえりなさい』とお声がけできるお店にしたいです」と、スターバックスのカップをもって公園を歩く風景が、地域にポジティブに働くことを願っている。
そして、パートナーが積極的にタンブラーを利用するなどの日々の行動や、ワークショップなどを通じ、来店客だけでなく周囲の店舗にもサステナブルな発信ができるようになりたいと熱い想いを教えてくれた。

生まれ変わった梅田に誕生した、サステナブルともったいない精神が融合した新しいスターバックス。大阪らしさを存分に楽しめる、うめきたグリーンプレイス店にぜひ足を運んでみよう。



注目情報