時給を上げると人手が減る!?何かと話題になる「103万の壁」の実態を描いた、狸谷(@akatsuki405)さんの実録漫画『チェッカー鳥海さん、レジまでお願いします』より『時給と扶養と人員と』を紹介するとともに話を聞いた。
「他の店員呼びなさいよ!」→人手不足でレジが開けられません!!
朝礼で店長から「時給が上がります!」といううれしいお知らせがあった。うれしいお知らせのはずが、パートの人たちからは「扶養内で働きたいから、シフトを減らしてほしい」の声が上がる。翌月、パートさんの減ったスーパーでは、一台のレジに「休止中」の札が...。
お客さんからは、「混んでるのになんでレジ閉めてるんだよ!」と、苦情が相次ぐ。「このエピソードは、以前勤めていたスーパーがベースになっています。当時、全ての支店に応援勤務があり、どこの店舗も人が足りてないんだなぁと感じていました」と話すのは、作者の狸谷さん。
時給をあげても人手が足りないのは変わらないばかりが、「普段レジを打つことがない店長や役職者の方、鮮魚部や精肉部、青果部やデリカ部のスタッフがレジ研修を受けていたり、結構深刻だったようです」
現在も、時給が上がるたび、シフトを減らさざるを得ないスタッフさんと変わらない仕事量との兼ね合いが大変だという。「頭を抱えている店長やスタッフの皆さんの負担を減らすようにサポートしています。どうにかバランスの取れる制度への改正を切に願います」と、狸谷さんはいう。
読者からは、「これ、うちのこと」「結局、無理できる正社員が残業」というコメントがあるように、人員が減っても仕事量は変わらない。「もう陳列や補充作業を後回しにするか、バイトを募集するしかない」など、同業者からは悲痛な声が届く。今、2025年度の税制改正で新しく「年160万の壁」が取り上げられているが、160万円稼ぐことで手取りの変化もあるようだ。扶養内で納めたい人は、改定内容を一度チェックしておこう。
取材協力:狸谷(@akatsuki405)
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