梅雨時のジメジメした環境では、布団の湿気やカビ、ダニが気にかかる。だが、多忙な日々のなかで、「ベランダに布団を干すのは手間がかかるし、とはいえ心地よい睡眠環境を保ちたい」と頭を悩ませる人は多いはず。
そうしたニーズもあり、SNSや家電量販店で「梅雨対策」や「ダニ対策」として「布団乾燥機」が注目されているが、どんな種類があり、どれを選べば自分に合うのか、迷う人もいるのではないだろうか。
そこで今回は、8年連続で業界シェアトップ(※)を誇る「ふとん乾燥機カラリエシリーズ」を展開するアイリスオーヤマ株式会社(以下、アイリスオーヤマ)の広報室・見並万綾さんに、布団乾燥機の主要なタイプや選ぶ際のポイント、梅雨時期および年間を通じた活用方法について話を聞いた。
※2016〜2023年度(年度：7月1日〜6月30日)。一般社団法人日本電機工業会加盟メーカーの国内出荷データに基づく
主に「マット付きタイプ」と「ノズルタイプ」の2種類がある
布団乾燥機には主に2つの種類がある。ひとつは「マット付きタイプ」で、敷き布団と掛け布団の間に専用のマットを敷き、温風を循環させて布団全体をムラなく乾燥させる方式だ。この均一な乾燥効果が大きな魅力となっている。
「マット付きタイプは、布団全体をしっかりと乾かせる点が強みです。ただし、マットを広げる手間や収納スペースが必要になる点は考慮しなければなりません」
もうひとつの「ノズルタイプ」は、ホースの先端を布団に差し込むだけで手軽に使える。準備が簡単で、コンパクトに収納できるため、スペースが限られた住環境や忙しい日常を送る人に適しているのだそう。
「ノズルタイプはセットアップが簡単ですが、温風が布団の隅々まで行き届かない場合があります。当社の場合は、フラップ付きの立体的なノズル設計により、こうした課題を改善し、より効率的な乾燥を実現しています」
さらに、最新の布団乾燥機には多彩な機能が備わっているという。
「ダニ対策機能が搭載されたモデルも多く、ほかにも衣類や靴を乾かせる衣類乾燥機能、ノズルにアロマケースを取り付けて布団に好きな香りを付けるアロマ機能も人気があります」
生活スタイルに合わせた布団乾燥機の選び方
布団乾燥機は、自身の暮らし方や必要性に応じて適切なモデルを選ぶことが重要だ。しかし、どのように選べばよいかわからない人もいるだろう。そこで、単身世帯、家族世帯、アレルギー体質といった多様なライフスタイルに対応した選定のポイントを聞いた。
「一人暮らしの方には、スペースを取らないコンパクトなモデルが適しています。軽量で収納しやすく、衣類乾燥にも使えるタイプは、限られた空間でも使い勝手がよいと好評です」
デザイン面でも、部屋の雰囲気を損なわないシンプルで洗練されたモデルが人気だ。一方、家族世帯では、複数の布団や大型のベッドに対応できる機能が求められる。とりわけ、ツインノズルタイプは効率的に乾燥できる点で重宝されているのだとか。
「ベランダでの布団干しは手間がかかるため、複数の布団を一度に乾燥できるモデルは家族にぴったりです。靴の乾燥機能、さらにはアロマ機能を備えたモデルなら、家族全員の快適な生活をサポートできますね」
アレルギー体質の人にとっては、ダニ対策機能が充実したモデルが特に重要だ。高温の風でダニを効果的に弱らせる「ダニモード」は、季節の変わり目や花粉の時期に役立つ機能として関心を集めている。
「また、お部屋になじむ『木目調』や『くすみカラー』のデザインは、若い世代や新生活を始める方に人気があります。さまざまな住環境やライフスタイルに対応できるよう、使いやすさと性能のバランスを重視したモデルを開発しています」
手軽な乾燥機で快適な睡眠環境を。梅雨時と通年の活用術
前述の通り、梅雨の時期は湿度が高く、布団の湿気やカビ、ダニ対策のためにこまめに布団乾燥機を使うのが効果的だが、仕事や学校の帰宅後に手間だと感じてしまうこともあるかもしれない。
「最近の布団乾燥機なら、雨の日や湿度の高い日でも、たとえば弊社のBSK-110-Wの『ふゆモード』なら、約30分の運転で布団をふかふかに保てます。また、夏用の乾燥モードや靴の乾燥に対応したモデルもあり、梅雨時のさまざまなニーズに応えていますね」
それ以外での使用頻度は、目的や生活環境によって調整することが推奨される。見並さんは、布団のメンテナンスについて「ダニ対策の場合は、冬場などは1カ月に1回を目安にするのもよいですが、汗や湿気が気になる時期は1～2週間に1回程度の使用が適していますね」と話す。
「弊社の製品では、ダニ対策として冬用ふとんの使用前や夏用ふとんの収納時など季節の変わり目に、年1～2回の頻度が効果的です。湿度の高い地域では、頻度を少し増やしてもよいと思います。足元が冷える場合は『あたためモード』がおすすめです」
また、布団乾燥機に対するニーズはますます高まっているという。その理由として、セキュリティ面や花粉対策への意識の高まりが挙げられる。
「防犯意識の高まりや花粉の飛散量の高まりにより、室内でふとん乾燥や衣類乾燥をしたいニーズが高まっております。なかでも若い女性や新生活を始める方々は、外干しを避け、室内で簡単にケアを完結できる乾燥機を好む傾向にあります。この記事を参考に、自分に最適な布団乾燥機を選んでみてください」
自分のライフスタイルに合った布団乾燥機を選び、快適な睡眠環境を整えることで、毎日のQOLを向上させてみてはどうだろうか？
取材・文＝西脇章太(にげば企画)
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