「M-1グランプリ」にて2022年から2年連続で準決勝に進出し、2024年には悲願の決勝進出と着実に認知度を高めているお笑いコンビ・ママタルト。独特な言い回しの長尺ツッコミが癖になるツッコミ担当・檜原洋平さんは、持ち前の陽気な性格とハッピーオーラで笑顔を届けるご機嫌ボーイです。「ママタルト檜原の楽しみ日記」では、そんな檜原さんの生活にある“お楽しみ”を皆さんにおすそ分け!第14回は、久々の帰省と愉快な檜原家について。
第14回「帰省」
第14回の更新です。
現在2025年6月13日。今年ももうすぐ夏がやってくるやろう。
すなわち、文化祭で15分ネタをしたらシャツはもちろんズボンまでびしょびしょになる季節がやってくるということやろう。
ズボンまでびしょびしょになるということは、スギちゃんさんがネタをしている間にびしょびしょになったシャツとズボンを巨大扇風機で乾かそうとするも乾き切らず、サイン色紙プレゼントタイムに濡れてるシャツとズボンをまた着て出て行って、全身に冷えピタを貼っているのかと思ったくらい強烈な冷たさに襲われるということでもあるやろう。
濡れたシャツとズボンを着てサイン色紙プレゼントタイムをしている時は耳元でカッチカッチと架空の時計の秒針の音が鳴り響いていて、それは風邪へのカウントダウンになっている。去年はそれで風邪をひいてしまったが、今年はリベンジなるかという感じやろう。
文化祭の楽屋にはアイロンが用意されているので、今年の文化祭はアイロンの熱を利用して汗を乾かしてみようと思っている。勝負の夏であることは間違いないやろう。
今回のお楽しみは帰省。
実家に帰るというのは読者の皆さんにとっても結構お楽しみやろう。
地元の変化に驚くもよし、変化がなくてもその変化のなさに懐かしさを感じるもよしで、捨てるところがないやろう。アンコウのように。
この前実家に帰ってお父さんに駅まで車で迎えに来てもらった時、去年はなかったドミノピザを見つけて「ドミノピザできてるやん。ドミノピザができてただけで本来知ってる道やのにどこの道を走ってるんか分からんくなったわ」と正直大興奮。鼻息もフガフガうるさかったやろう。
ドミノピザを見つけた後は、そのドミノピザがもともと何のお店だったかを思い出してみるのもよしで、地元を移動するだけでとにかく脳が若返って若返って仕方がない。
しかし
俺「こんなとこにコンビニできてるやん」
お父さん「これはもうだいぶ前からあるわ。前に帰った時もあったんとちゃう」
時にはこのように失敗することも。前帰った時もあったお店を最近できたお店のように報告してしまうと持ち点を失ってしまいます。
実家の中にも変化はあり、今回の帰省ではまずリビングのピアノがなくなってそこに大きなテレビが置かれていました。冷蔵庫が25年ぶりに新しくなっていたりソファも一個減っていたため、世にも奇妙な物語のキムタクの「BLACK ROOM」くらい実家は様変わりしていました。
久々に帰った実家はテセウスの船みたいでもありました。
テセウスの船というのは僕が肥満に年に4、5回言う比喩で、テセウスの船とまで言ったらあとはみんな自分で調べるやろう。昔やったネタに新しいくだりを3つほど足して、新ネタと言い張る時に「これはまあ、テセウスの船と同じことが言えるわな」と賢ぶるのです。
いつも実家に帰ったらおばあちゃんと話すのですが、今回のおばあちゃんはかなりエピソードを用意していました。
おばあちゃん「いや、この前な、おばあさん(俺のおばあちゃんが俺と話す時の一人称はおばあさん)はひっくり返ったことがあったんや。というのもなインターネットでやな、洋平がやな、“破廉恥にハマってべろんべろんに酔っ払う”というニュースになっててやな。これはえらいこっちゃと。もう心臓が潰れるかと思ったわ。洋平が破廉恥にハマってしまったんやと。残念なことになってしまったと。ほんでなおばあさんそれよう見たらな、ちゃうかったんや。“フレンチにハマってべろんべろんに酔っ払う”って書いてたんや。ハレンチとフレンチで間違えたんや。おばあさんもあかんわ。衰えたわ。洋平はフレンチに行ったりするんやな。おばあさんも昔は何度かフレンチを食べに行ったよ」
と話してくれ、おばあちゃんも座王に呼ばれる準備を始めているのかという感じでした。
みんなも実家に帰ってみよう。