子どもの頃から漫画が好きで、ユーモア溢れる作品を描く漫画家・宮野シンイチさん(@Chameleon_0219)。2022年8月にXで公開された「夜逃げ屋日記」は、実話を基に描かれたユニークな漫画として人気作の仲間入りに。今回は、本作を描いた理由や裏話などについて、宮野さんに話を聞いた。
「すべてノンフィクション」と言いたい…リアル追求と意外なギャップ
「『すべてノンフィクション』と言いたいところですが、“ほぼ実話”です。ただ漫画としての演出はあります」と宮野さんは語る。例えば、依頼者の部屋に警察官がいたシーンでは、実際はスーツ姿の刑事だったが、読者にわかりやすいよう制服姿で描いたという。漫画を描こうと思ったきっかけについては「夜逃げ屋日記の1日目」を読んでほしいと述べた。
「夜逃げ屋」の存在を知った時の気持ちを尋ねると、宮野さんは「30年近く前に有名なドラマ『夜逃げ屋本舗』があったため、借金返済できない人を夜逃げさせるのが主な仕事だと思っていた」と振り返る。しかし、実際に夜逃げ屋が扱うのはDVや虐待、ストーカーなど、近年ニュースでよく耳にする問題だと知り「時代の流れを強く感じた」という。
実際に夜逃げ屋と関わるようになり、ギャップを感じたかという問いには、「裏稼業となると、『相当怖い人たちなんじゃないか？下手なことを言うと山に埋められて、海に捨てられて、溶鉱炉で溶かされてしまうんじゃないか？』と思っていた」と率直な感想を述べる。しかし、「会ってみると皆さん本当に気さくで優しくて、接しやすい方達だった。よく考えるとそんな怖い人たちだったら依頼者も安心して相談できない」と、意外なギャップを明かした。
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