世界を「オフィス地球」という会社に見立て、国をそこで働く「サラリーマン」に擬人化した、理央(
@br_sss921
)さん・沢辺有司さん(原案・監修)の漫画「地政学ボーイズ」。陰キャで趣味人、働きすぎるヒノモト(日本)のまわりには、陽キャで強引なアメリカ、虎視眈々と策略を練る中国、冷酷なロシアなど、各国のイケメン男子が入り乱れる。歴史に基づいた関係性がおもしろく、カジュアルに地政学を学べると評判で「自分も楽しめるし、子どもにも読ませたい!」と反響を得る。今回は、作者の理央さんに制作のきっかけや見どころを聞いた。
デスクの距離が国際関係に影響してくる!?オフィスを舞台にした世界情勢の見せ方が新しい
「俺のことは、アメリックと呼んでくれ!」陽キャなアメリカが、内気なヒノモト(日本)に絡んでくる。でも、意見は聞くだけで、最終的には「自分が正しい」で押し通す――。本作、「地政学ボーイズ」は、国を擬人化した地政学が描かれており、むずかしい外交問題が人間関係のノリでグッと身近に感じられる漫画だ。
作者の理央さんは地政学は知らなかったが、編集部の提案で企画がスタートしたそうだ。国の性格はステレオタイプをベースにし、読みやすさを意識しているという。キャラクターはわかりやすさ重視でデザインしているそうで、なかでも、主人公のヒノモトにはこだわったそうだ。理央さんは「ただのスーツでは地味すぎるので袢纏(はんてん)と簪(かんざし)をつけました。『和』っぽい雰囲気は出せたのではないか」と作品を振り返った。
また、キャラクター(国)のデスク配置にも工夫があるそうで「『国』を人に、『世界』をオフィスに置き換え、それぞれの『領土』はどうなるかと考えたときに、それはやはりデスクだろうと。『デスクが近い人とはトラブルが起きがちだったり』みたいなオフィスの人間関係のいざこざを、世界情勢に当てはめて考えてみる、というのがスタート地点でした」と、制作秘話を話してくれた。
「これが教科書だったら、もっと歴史の授業好きになってた」――読者からはそんな声も届くという。国際情勢がちょっと気になるなら、まずはこの1冊から読んでみてほしい。
取材協力:理央(@br_sss921)
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