M-1グランプリ2007を敗者復活から勝ち上がり、優勝して一躍、時の人となったお笑いコンビ・サンドウィッチマン。昨年はキングオブコント2009で準優勝を飾り、実力派というイメージがすっかり定着した。そんな彼らの、昨年の全国ライブツアーがDVD化。じっくりと話を聞いてみた。
― まずDVD収録を地元である仙台に選んだ理由を教えて頂きたいなと思います。
伊達「ツアーの最初が東京だったんですけど、初日ってやっぱり緊張するんですよ。だから、仙台にしたんですけどね」
富澤「その結果、仙台って東京や大阪みたいにノリがいいとこじゃないので、失敗しました」
― (笑)。初っ端のネタが漫才なんですけど、お客さんイジリが長くて凄く雰囲気の良さを感じました。
伊達「延びるとこは延びるんですよ。札幌じゃ、ツカミだけで40分喋っちゃいました (笑)」
富澤「ネタだけだと10分なのに」
― サンドさんらしいネタがあれば、「何でも知っている男」のように普段テレビでは観れないネタがあったのも面白かったです。富澤さんがツッコミで、伊達さんがボケという。
富澤「あれは伊達が作ったんですけどね」
伊達「エビセン食べながら俺が出てきたら面白いなと思って、後は気分次第ですね。オチだけは作ってあって。昔はこういうネタが多かったんですよ。一番楽しいですね」
― ネタの凄さというのは充分伝わっていて、これからサンドさんがテレビでどのように活躍の幅を広げていかれるかが楽しみです。
富澤「攻めの戦いではなく、守りの戦いですよね。僕ら東北出身なんで、そんな感じです」
― もう、ちょっと具体的に教えてもらっていいですか、伊達さん(笑)?
伊達「攻撃的なタイプでは俺らはないんですよね。だから、攻め込まれないような城を作りたいと。わかりましたか(笑)?」
富澤「それで合ってます。基本的に、そっとしといて欲しいんです」
伊達「トンネルの中だけで暮らしたいタイプですから、こいつは」
富澤「そんな事は言っていない」
伊達「例えだよ! 一時、劇場にも出たくないと言って、影マイク(舞台に出てこず舞台袖でマイクを使って喋る)だけや舞台袖からちょっとだけ見切れるネタ書いてました(笑)」
富澤「(笑)。変に出ていくんじゃなく、自分のいる範囲を自然に広げていけたらいいですよね。これが守りの戦いという意味です」
伊達「そんな事言いながら、スキマスイッチさんと一緒に遊んでたりするんですけどね!」
富澤「それは共通の趣味があるからだよ。こいつは僕の事をわかってないです! みくびるんじゃないよ!」
伊達「だって誰とも逢いたくなくて、ずっと布団の中にいた男ですよ。布団の下にキノコが生えて、畳がへこんでましたからね。温度で物を察知して、それで普段、人間を避けているゴキブリが富澤を人間だと気付かずに、富澤の腕を歩いていたくらいですから!」
富澤「ゴキブリが普通に歩いていましたからね…、みくびるんじゃないよ!」
―(笑)。早速ですけど次のライブツアーも楽しみになっちゃっているんですが。
伊達「1年に1回はツアーしたいですね」
富澤「しょうがないですよね…。本当は4年に1回くらいのツアーでいいんですけど」
伊達「1年に1回でも少ないのに! 次はピンネタもやろうと思っています!」
富澤「今、初めて聞いた。別にいいんじゃない」
伊達「(笑)」
― (笑)。これからも本当に楽しみにしています。今日はありがとうございました。
(取材・文 鈴木淳史)