「それって接客なの?」マダムに叱られたアパレル店員の葛藤…リアルすぎる漫画の舞台裏【作者に聞く】

東京ウォーカー(全国版)

01 コーディネートを相談したいマダムだが…!?画像提供:(C)2025 ぼのこ

ぼのこさん(@bono_gurai)は、SNSやブログでリアルかつコミカルな漫画を多数公開している。2024年12月にはXで『「それって接客なの?」お客様から叱られた話』を投稿し、注目を集めた。これは、商品を一方的に勧めるアパレル店員の接客態度に対し、客であるマダムが注意するというエピソードだ。本作を描いたきっかけや苦労した点などについて、ぼのこさんにインタビューした。

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「リアルを含んだ創作」作者が描く働く人の心の揺れ

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本作の誕生について、ぼのこさんは「アパレル販売員・店長として働いていたころの体験をもとに、働く人の心の揺れや葛藤を描きたいという思いから生まれた」と語る。エピソードや感情の多くは、実際の出来事や出会った人々とのやり取りをベースにしており、登場人物やストーリーは「複数の体験や印象を掛け合わせて再構成した“リアルを含んだ創作”だ」と明かした。

描く上で苦労した点については、「日常のやり取りや職場の人間関係など、誰もが経験するような題材は、身近だからこそ見過ごされがちで、深く掘り下げる難しさがある」と述べる。その中で、「小さな違和感や感情の揺れを、読者に“自分ごと”として感じてもらえるよう丁寧に描くことを心がけている。構成や演出に時間をかけるぶん、気づきや余韻のある作品にできればと考えている」と、制作へのこだわりを語った。

客のニーズを見抜く難しさ…「失敗の数は行動した回数」


作中で販売員の春子がお客様から接客態度を叱られた場面について、ぼのこさんは「私自身も新人時代は、よかれと思ってした接客が裏目に出てしまう経験がたくさんあった」と自身の体験を重ねる。「会社にとっての“正解”と、お客様にとっての“正解”は、ある意味異なって当然だ。本質的に突き詰めれば、消費者視点を極めることがビジネスの成果につながるが、春子ほどの経験値ではそこまで理解するのは難しく、叱られれば当然落ち込む」と分析。

しかし、「そうした“裏目”があったからこそ、相手との価値観のズレに気づけたはずだ。失敗の数は行動した回数。私ならしっかり反省して次に活かそうと考えるし、春子もきっとそう思っただろう」と、前向きな姿勢を示した。

マダムに自分の考えを見透かされた春子は、今回の経験で今まで忘れていた大切なことに気づいたようだ。ぼのこさんは他にも数多くの作品を描いているので、興味がある人はぜひ一度読んでほしい。

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取材協力:ぼのこ(@bono_gurai)

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