背中を流してくれたり、添い寝される感覚があったり、果ては朝食を作ってくれたり……。謎の“心霊現象”に悩まされていた学生には、守護霊のような猫又が憑いていた――。
WEB上で日々公開される創作漫画は、アマチュアのみならずプロの漫画家が発表するものも多い。「オーガの兄貴と奴隷ちゃん」(講談社)や「のぶながちゃん公記」(竹書房)などの作品がある漫画家のくりきまる
(@kurikimaru)
さんが描くオリジナル漫画シリーズ「視える男と憑かれた男」もそうした作品の1つだ。Kindleの無料電子書籍
「岩崎くんと加藤くん 視える男と憑かれた男」
には800件以上の評価が集まり、読者からは「続きが楽しみ」と期待される同作の制作背景を、作者のくりきまるさんに取材した。
愛するご主人様を守る健気な「猫又少女の霊」に心掴まれる!
今作「視える男と憑かれた男」は、霊能力を持つ大学生の加藤と、霊に好かれる体質を持ちながら、それらが全く見えない岩崎、そして彼にベッタリと取り憑く猫又少女の霊を中心に描かれた心霊コメディシリーズ。
岩崎は身の回りで起こる心霊現象が心配になり、加藤にお祓いできないかと相談するが、取り憑いている猫又少女の霊は岩崎を悪霊から守るために身を挺して戦っていたのだ。そして普段はご主人様の岩崎にベッタリと甘えているという状態。そんな姿を見て加藤は「祓えない」と見守ることに。
今作を描いたきっかけについて伺うと、「以前飼っていたペットが甘えん坊で、いつもくっついて回っていたんです。既に他界してしまいましたが『今でも一緒にいてくれるといいな』と思ったからです」と作者のくりきまるさんは話す。
猫又少女の霊のかわいい姿に癒やされる読者も多い。そのキャラクターは、かつて一緒に過ごしたペットの姿を再現したとのこと。「日頃はビビリなくせに、知らない人が家の中に入ると警戒して臨戦態勢をとったり、ぬいぐるみともよく戦ってました」と、くりきまるさんは振り返る。「きっといざというときは守るつもりでいるのだろうと思い、作中の霊もいざというときは岩崎のために戦っている設定にしました」と話してくれた。
岩崎には猫又少女の霊は見えないが、霊はお構いなしに全力で彼に尽くす。この一方通行だけど純粋な愛情表現が、多くの読者の胸を打つのだ。心温まる人と人(と霊?)との繋がりを描いた作品、気になる人はぜひチェックしてみて!
取材協力:くりきまる(@kurikimaru)
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