人は誰でも、褒められればうれしくなるし、モチベーションも上がるもの。けれど、専門学校の講師が頑張る学生を褒めたら「褒めないでもらっていいですか?」と予想外の答えが返ってきて……。「褒め方」の奥深さを振り返った絵日記漫画に「すげえ褒めたい」「そういうのもあるのか」と、X(旧:Twitter)上で3.7万件を超える「いいね」が集まっている。
反響を呼んだのは、漫画家のぬこー様ちゃん(
@nukosama
)さんが2023年3月に投稿した『「褒め方」って奥が深い!!!っていう漫画です!』。作者のぬこー様ちゃんさんに、エピソードの舞台裏や「褒める」ことの考え方を教えてもらった。
「褒めないで欲しい」の理由を聞いたら「もっと褒めたくなっちゃう」
本作は、かつてイラスト系の専門学校で講師として勤めていた作者ぬこー様ちゃんさんの体験をもとに描かれた実話である。
学生のモチベーションを継続させるため、作品の出来ではなく制作への姿勢や取り組みを褒めるように心がけていたぬこー様ちゃんさん。ある日、絶好の“褒めタイミング”にいざ声をかけようとするも、その学生から「先生に褒められたくて絵を頑張ってるので…褒めないでもらっていいですか?」とストップがかかる。「今ここで先生に褒められたら、しばらく満足して描けなくなる」と理由を話す学生。
この学生の言葉を聞いて作者ぬこー様ちゃんさんは、「自分の調子がいい今は、できるだけ放っておいて欲しいことへの理解とともに、その姿勢に余計『褒めたくなっちゃう』」と褒めるのをこらえるのに必死だったそうだ。
当時の心境を「頼られてるなと感じ、うれしさも感じました。が、同時にモチベーションを先生に依存してしまっているので危ういなと思いました」と語る。またその対策として「モチベーションをひとつのことに依存しないよう、いろいろなところで喜びを見出せるよう促していきました」と語り、モチベーションの上げ方は人それぞれ、「褒め方」って奥が深い!とタイトルの真意を教えてくれた。
作者の優しさが詰まった本作。陰ながらの優しさに、じんわりと心が温かくなる作品である。
取材協力:ぬこー様ちゃん(@nukosama)
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