今回は、漫画家・小菊路ようさん(@TheeKick)の創作漫画シリーズ『おツカレお姉さんと腕のお化け』を取り上げる。
「月刊少年シリウス」で「ヴォカライズ」を連載中の小菊路ようさん。SNSで手の描写の美しさが話題の作家だが、本作『おツカレお姉さんと腕のお化け』は、その魅力がタップリと味わえる作品だ。
“腕だけのお化け”の不思議な同居コメディ
ある日突然、会社員・梅さんの部屋に現れた腕のお化けは、第一印象こそ悪霊のよう。しかし、彼の行動は心身ヘトヘトな梅さんを優しく包み込んだり、足裏をマッサージしたりと至れり尽くせりだ。紳士的なお化けに心を開いた梅さんは状況を受け入れ、仕事ばかりだった生活に彩りが加わっていく。
作者の小菊路さんによると、友人の「疲れていてシリアスな漫画が読めない」という話から、軽い気持ちで読める漫画を描き始めたという。腕だけのお化けというアイデアは、テレビの「女の人が惚れる男性のしぐさ」特集がきっかけだと振り返る。幽霊ではなく「お化け」としたのは、「広く不思議なモノ」という小菊路さんの感覚からだそうだ。
手の描写については、「手の甲のゴツゴツとした関節を描くのが好きだ」と話す。さらに「手に力を入れたときに浮き出る手首の筋(?)を描きがちだ」とこだわりを教えてくれた。んだんと人間味が見えてくる腕のお化けと、それに癒やされる梅さんの関係性の深まりを追うのが楽しい本作を一読してほしい。
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