綾野剛さん主演×三池崇史監督の強力タッグによる『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』が、2025年6月27日(金)にいよいよ全国公開される。
史上最悪の“殺人教師”と呼ばれた男の実話を映画化
本作は、第6回新潮ドキュメント賞受賞、福田ますみさんのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)を原作に、三池崇史監督が冷徹なまでのリアリティで映像化したもの。
20年前、日本初の「教師による児童への虐め認定」という前代未聞の体罰事件が世間を震撼させた。小学校教諭・薮下誠一(綾野剛)は「死に方教えてやろうか」と教え子を恫喝したとして、保護者・氷室律子(柴咲コウ)から告発される。週刊誌記者・鳴海三千彦(亀梨和也)による実名報道をきっかけに、薮下は「史上最悪の殺人教師」というレッテルを貼られ、瞬く間に社会的制裁の嵐に巻き込まれていく。
誹謗中傷、裏切り、停職処分——。次々と襲いかかる絶望の中、薮下の日常は崩壊していく。一方、律子側には550人もの大弁護団が結成され、かつてない規模の民事訴訟へと発展。誰もが律子側の勝利を確信していたその法廷で、薮下が口にしたのは「すべて事実無根の“でっちあげ”」という衝撃の完全否認だった。
豪華実力派キャストが魅せる「本気の演技合戦」
主人公・薮下誠一を演じるのは、2024年にNetflixシリーズ『地面師たち』で社会現象を巻き起こし、国内外で高く評価され続ける綾野剛さん。2009年の『クローズZEROⅡ』以来、実に16年ぶりに三池組へ復帰した。「エンタメとルポルタージュの共存、共演者と芝居の総当たり戦。毎シーン、呼吸を忘れるほどの魂の揺らぎ、各部署のとてつもない胆力。三池崇史監督の祈りを道標に、ただただ魅了された現場でした」と、本作での撮影を振り返る。
柴咲さんは、『着信アリ』(2004年)、『喰女 クイメ』(2014年)に続く、三度目の三池組となる本作について「言った言わないやったやられた…当事者にしかわからないようなことを、私情を封印して判別したり裁いたりするということは、本当に難しいことなのではないかと思い知らされる。所々でホラー感が垣間見える三池監督の演出には、『好き』となりました」と、役柄とは対照的な愛らしいコメントを寄せている。
亀梨さんは、『怪物の木こり』(2023年)から続く二度目の三池組について「再び三池組に参加することができ、とてもうれしかったです。演じさせていただいた役は、物語の流れを大きくする重要な存在です。初めて演じる職業。僕自身もさまざまな思考が交差する難しい役どころでしたが、集中して取り組みました」と語った。
さらに、律子の息子で薮下から体罰を受けたとされる児童・氷室拓翔役の三浦綺羅さん、薮下を懸命に支える妻・希美役の木村文乃さん、保身に走る校長・段田重春役の光石研さん、律子側の敏腕弁護士・大和紀夫役の北村一輝さん、そして孤立した薮下の弁護を唯一引き受けた弁護士・湯上谷年雄役の小林薫さんと、日本映画界最高峰の実力派が顔をそろえた。
各界の著名人から“震撼と絶賛”の声が続々到着!
2020年に三池監督が人生初の“ラブストーリー”を描いたことでも話題になった映画『初恋』で主演を務めた俳優の窪田正孝さんは、「ハラスメントの定義は一体どこにあるのか」と現代に通じる問いを投げかけ、「三池監督の容赦ない描写を、でっちあげだらけのこの時代にこそ、ぜひ見ていただきたい」とコメントを寄せた。
佐藤二朗さんは、「こんなにも容赦なく、直視できないような物語が、実話に基づいていることに震える」と、ルポルタージュを原作とした本作に受けた衝撃を表現したうえで、「真実の匂いや肌触りを是が非でも取り逃がさんとする、綾野の気概に震える」と、自身の監督作品にもキャスティングするなど縁の深い綾野さんについても賞賛。
映画『ヤクザと家族 The Family』(2021年)やNetflixシリーズ『新聞記者』(2022年)、映画『最後まで行く』(2023年)などで立て続けに綾野さんとタッグを組んだ映画監督の藤井道人さんも、同じく主演の存在感を「綾野剛という俳優のすべてが、この映画を形作る」と絶賛している。
実話に基づいた人間の静かな恐ろしさを描いた本作について、三池監督は「余計な演出をできるだけ排除し、冷静に作り上げたつもりです。ですから、この恐怖は本物です」と自信を覗かせる。さらに「何よりも恐ろしいのは、人ごとではなく明日、あなたの身に起こるかもしれない人災であるということ。被害者にも、いや加害者にも、あなたはそのどちらにもなり得るのです」と警告する。
原作者の福田ますみさんは、「細部にまでこだわった迫力の映像が、学校現場で起きたありえない狂気を、そしてそこから増幅された社会の狂気をリアルに描いている」と映画を絶賛。「主人公が、たまりにたまった怒りを爆発させるシーン、綾野剛さんの鬼気迫る演技は鳥肌ものだ。観客にとっては、あっという間の129分だろう」と期待を寄せる。
『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』は2025年6月27日(金)より全国公開。
■『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』
公開日:2025年6月27日(金)全国公開
出演者:綾野剛、柴咲コウ、亀梨和也、大倉孝二、迫田孝也
木村文乃、光石研、北村一輝、小林薫
監督:三池崇史
原作:福田ますみ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫刊)
脚本:森ハヤシ
制作プロダクション:東映東京撮影所 OLM
制作協力:楽映舎
配給:東映
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