今回は昨年12月にリニューアルしたばかりの浅草・蛇骨湯へ。現在は3代目のご主人ですが、屋号は江戸時代から続く老舗で、かつては遊郭帰りの男たちでにぎわっていたというから、なんともイキで由緒ある銭湯です。
中に入ると脱衣場が広々としていて気持ちいい。外には庭が見え、コイが泳ぐ池もあります。驚くのは内湯も露天風呂もすべて黒湯なこと。シャワーからもドボボボボーッ。しかも軟水なんだって。相当なこだわりがあるのでは? とお風呂から上がって番台のおばあちゃんに聞いてみた。するとこの黒湯、50年前から出ていたそうで、まさか温泉だと思わずに使っていたんだって。20年前に調べて初めて温泉だって事が分かったそう。それまで近所では「なんか普通の銭湯よりあったまるワ」とウワサの銭湯だったらしい(笑)。なんとものんびりしたいい話です。それにしてもここの内湯にある富士山のタイル絵は素晴らしいのひと言。聞けば今は亡き先代のダンナさんがこだわって作ったもので、これだけは改装しても変えなかったという特別なものなんだそう。
そんな心も体も温まる、蛇骨湯さんに5つ星差し上げます。【東京ウォーカー2/16発売号に掲載】