小栗旬が窪塚洋介に「共演できて本当によかった」興収10億円突破『フロントライン』大阪舞台挨拶レポート

東京ウォーカー(全国版)

観客動員74万人、興行収入10億円突破の大ヒットを記録している映画『フロントライン』。2025年6月28日、大ヒットを記念した大阪舞台挨拶に小栗旬さん、窪塚洋介さん、増本淳プロデューサーが登壇。5年前に誰もが経験したパンデミックの“最前線”を描いた本作への想いと、撮影秘話を語った。

小栗旬さん、窪塚洋介さん、増本淳プロデューサーが大阪での舞台挨拶に登壇


あの時、ニュースの向こう側で何が起きていたのか

物語の舞台は、2020年2月3日に横浜港に入港した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」。世界56カ国3711名の乗客乗員を乗せたこの船で、日本初の新型コロナウイルス集団感染が発生した。連日ニュースで報じられた映像の向こう側で、治療法不明の未知のウイルスと闘った医療従事者たちがいた。

『フロントライン』は、当時メディアでは一切報じられることのなかったそんな“最前線”の物語を、事実に基づいて映画化した日本初の作品。家族を残し、安全な日常を捨てて命を救うことを最優先にしたDMAT(災害派遣医療チーム)の医師や看護師たちの姿を、オリジナル脚本で描いている。

オープニング3位発進!2025年オリジナル脚本邦画No.1の快挙

2025年6月13日の公開から好調な滑り出しを見せた本作。オープニング週末は観客動員数25万人、興行収入3億4699万円を記録し、動員・興行収入ともに堂々の3位発進となった。2025年公開のオリジナル脚本邦画実写作品としては第1位のオープニング成績を記録している。

公開2週目を迎えても勢いは衰えず、動員ランキング2週連続3位をキープ。2025年6月27日時点で観客動員数74万人、興行収入10億円を突破し、最終興行収入20億円も視野に入る大ヒットを記録している。

SNS上では「素晴らしい映画でした」「涙が止まらないくらい登場人物たちに感情移入しました」「仕事を頑張る勇気がもらえました」といった声が続々と寄せられ、5年前に誰もが経験したパンデミックを題材にしていることから「あの時ニュースの向こうで見てたあの船の中、あんな事が起きていたとは」と、知られざる物語への反響が広がっている。

小栗旬、6年ぶりの大阪で見せた軽妙トーク

大阪ステーションシティシネマで行われた舞台挨拶には、DMAT指揮官・結城英晴を演じた小栗旬さん、船内DMAT実働部隊トップ・仙道行義を演じた窪塚洋介さん、そして本作の脚本・プロデュースを務めた増本淳プロデューサーが登壇した。

小栗さんにとって大阪での舞台挨拶は2019年以来約6年ぶり。公開後の反響について「『この作品に勇気をもらった』という声をいろんなところでいただいています。“結城”だからかな?」と、自身の役名にかけた冗談で場を和ませながら答えた。

災害派遣医療チーム「DMAT」を統括する医師・結城英晴を演じた小栗旬さん


一方、先週21日に続いて2度目の大阪登壇となった窪塚さんは「この映画のすごいところは、観ている間に自分も登場人物の一人だと気づける、新しい映画体験ができるところです。自分自身もこんな風に映画を観たことはなかった」と振り返り、あらためて共演者やスタッフ、そして観客に感謝を伝えた。

結城とは旧知の医師・仙道行義を演じた窪塚洋介さん


小栗旬に正座させられた!?窪塚洋介が暴露した大阪の思い出

プライベートでも親交があり、ゴルフ仲間でもあるという小栗さんと窪塚さん。大阪での思い出について聞かれると、窪塚さんが「(ゴルフ場で)正座させられたこと」と即答。ゴルフ初心者の窪塚さんが小栗さんに「俺らが勝ったら正座ね」と冗談交じりに言われ、結果しっかり正座させられたというエピソードに、会場からは笑いが起こった。

そんな和やかな雰囲気の中、上映後の舞台挨拶ということもあり、SNSで質問を募集したQ&Aコーナーがスタート。「キャストの演技で思わず心が震えたところは?」という質問に小栗さんは、池松壮亮さん演じるDMAT隊員・真田がコーヒーを一気飲みするシーンを挙げた。さらに、その相手役である医師・宮田を演じた滝藤賢一さんの演技も絶賛。実は台本には「コーヒーを渡す」としか書かれていなかったが、その後のやりとりは池松さんと滝藤さんのアドリブだったという制作秘話も明かされた。

本作の脚本・プロデュースを務めた増本淳プロデューサー


「また“結城”をやりたい!」小栗旬が続編に意欲

「次に共演するなら、お互いどんな役を演じてみたいか?」との質問には、窪塚さんが「旬は忙しいので、そんな時間はないと思います!」とジョークを飛ばして会場を沸かせたあと、小栗さんから意外な答えが。「これはありきたりな話ではなく、DMATの話ってほかでもできると思ったんですよね。また“結城”をやりたいです!」との発言に、増本プロデューサーも「本当ですか!?」と驚き、会場からは大きな拍手が沸き起こった。

さらに窪塚さんは、現実のDMATへの想いにも言及。「(小栗さん演じる)結城のモデルになった阿南先生と、(自身が演じた)仙道のモデルになった近藤先生は、今も能登地震の現場で活動されている。今この瞬間にも、劇中で描かれたことと同じ思いで医療に従事しているDMATの方々がいることを日々感じている」と話し、現実の医療現場に想いを馳せる場面もあった。

また、将来医療従事者を目指す観客からの「相手や自分を大切にするうえで、大事にしていることや心がけていることがあれば教えてほしい」という質問には、小栗さんが「この作品では“人道的であるか”ということが大きなテーマになっているので、人としてどうあるべきかを自分もあらためて考えながら、生きられる人になりたいと思いました。相手へのリスペクトがあれば、関係性も自然とよくなってくると思います」と真摯に回答。すかさず窪塚さんから「それがあればメッセージの返信もすぐ来ると思います!(笑)」と小栗さんに対してツッコミが入り、「最近はめちゃくちゃ早く返してます!(笑)」と返し、会場は和やかな笑いに包まれた。

「窪塚洋介と仕事ができて本当にうれしかった」クライマックスで見せた友情

最後に小栗さんは「“この作品を観て勇気をもらった”、“あらためて医療従事者の方々への感謝が沸いた”といった声をいただいていますが、あらためて映画を観返して、自分自身も仕事に誇りを持ちたいと思える作品になりました」とあらためてメッセージを送った。

一番好きなシーンについて聞かれると「すべての下船作業を終えた池松壮亮演じる真田が、家族のいる家に帰ったあとのシーン」と答え、それを聞いていた窪塚さんと増本プロデューサーも大きく頷き、窪塚さんも「また観たくなっちゃいました」と呟く場面もあった。

最後に窪塚さんは、コロナ禍を経験した観客に向けて力強いメッセージを送った。「コロナ禍で失った時間や、大切な人、出来事があると思いますが、この映画を観ることで『前に進もう』『頑張ろう』という気持ちに変えてくれると思います」

そして小栗さんが「今回この『フロントライン』で窪塚洋介と仕事ができて、本当にうれしかった」と締めくくると、窪塚さんも「俺もだよ!」と笑顔で応え、会場は大きな拍手と温かな空気に包まれながらイベントは幕を閉じた。

“最前線”で守るべきは、この国か、目の前の命か――。5年前のあの状況で、もし自分がその場にいたら何ができただろうか。パンデミックに立ち向かい、決してあきらめることなく日常を取り戻そうとした人々の感動の物語を、ぜひ映画館で体験してほしい。

映画『フロントライン』全国公開中


『フロントライン』作品概要
出演:小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、森七菜、桜井ユキ、美村里江、吹越満、光石研、滝藤賢一、窪塚洋介
企画・脚本・プロデュース:増本淳
監督:関根光才
配給:ワーナー・ブラザース映画

(C)2025「フロントライン」製作委員会

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