本作『お宅の夫をもらえませんか?』は、『夫を捨てたい。』など夫婦関係のモヤモヤを描くいくたはなさんが原作を、みこまるさん(@mikomaru)が漫画を担当。二人がタッグを組んだ理由についてみこまるさんに聞くと、「原作者のいくたはな先生が作画担当を探していらっしゃって、それならぜひ、みこまるにやらせてください!と申し込みました」と明かした。
「裏切り」と「人間の闇」を描く人気漫画の舞台裏
片田舎で高校時代から付き合っていた栄一と結婚し、そのまま実家で同居し農家を手伝うなな子。しかし、義母からは「トロい」「使えない」ときつく当たられ、いびられる日々。夫も味方になってくれず、子育てはワンオペ育児。さらに子どもをもう一人欲しいと言われるなど、夫婦の心はすれ違っていた。なな子は、少しでも現状を変えようとパートに出ることにした。
新しくオープンするスーパーの店長・忍は、なな子の子どもと同じ幼稚園に通っていた。奥さんとも顔見知りで、すぐに打ち解ける。パートが楽しくて仕方がないなな子だったが、実家に帰ると「晩飯準備の時間には帰んなよ!!役立たず」「何様なんだい」と義母に怒鳴られ、この家は何かおかしいと気づき始める。
なな子の環境を不憫に思い慰める忍。その要因が重なり、なな子と忍は不倫関係となる。しかし狭い地域では二人の関係はいつしか噂となり、忍の妻・香織の耳にも入る。忍の不倫相手がママ友のなな子だと知った香織は、今までの良妻の顔を捨て豹変する。
「誰の気持ちにもグッとくる」作者が語るリアリティ
今まで「田端、明日は売るつもり」や「専業主婦は『働いてる』とは言わないの?」など、多くの人が共感できるテーマをわかりやすく丁寧に描いてきたみこまるさん。今回「裏切り」や「人間の闇」に迫った作品について話を聞いた。
原作から制作する漫画と自分で制作する漫画で違う点について、「作風は『ラフな感じの簡潔な絵で』ということだったので、あまり描き込まないことを意識しました。メンタル面やフィジカル面では、とくに変化はなく、『よいものを作るぞ!』という気合はどんな作品でもいつも持っているので、今回もそのような意気込みでした」と語った。
作品を読んだ人から「どのキャラの気持ちにもグッときます」というコメントが届くほど、シタ妻とサレ妻の二人の心理描写は秀逸だ。その難しさについて尋ねると、「その辺りは、原作者のいくた先生がしっかりと設定してくださっていたので、とても描きやすかった」と、原作者との連携を強調した。
取材協力:みこまる(@micomalu)
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