「手の描き方が美しすぎる!」と話題の漫画家・小菊路よう
(@TheeKick)
さんが、今回描くのは〈腕のお化け〉の話。
授業中、ぼんやり校庭を眺めていると、なんとそこには青白い腕のお化けの姿が!授業中に外を見て驚く生徒を見て、先生が注意。「なんだ犬でも乱入してきたのか?」と教室中がざわざわするが、どうやら彼らには腕のお化けは視えていないらしく…。
実体験を元にした"学校あるある"と非日常的な願望から生まれたストーリー
校庭にいる腕のお化けカイさんに驚いた少年だったが、他のクラスメイトには見えていないようだ。見間違いだったか…と冷静になろうとする少年が再び校庭に目を向けると、やはりそこには腕のお化けは存在し、しかも不気味な儀式をしているようだ。実は、自宅で飼っていた猫をうっかり逃がしてしまった腕のお化けカイさん。梅が帰宅する前に猫を捕獲すべく校庭で召喚術をおこなっているのであった。
校庭に犬が迷い込んでくるという“学校あるある”は、世代を問わず共感を呼ぶ定番エピソードである。作者の小菊路さん自身も「田舎の学校だったので入ってきたことはあります。こんなに教室がざわついたことはないですけど…」と振り返る。
一方、作品内で描かれる魔法陣のシーンも印象的だ。蝋燭を立て、ラインカーの白線で謎の陣を作り出した腕のお化けカイさんの行動には、ある種の切実さがにじむ。もし何かを召喚できるとしたら、小菊路さんは「今は膝の上に猫を召喚したい」と語る。日常に潜む非日常的な願望が、物語と重なり合う。
また、漫画では描かれていなかったが、カイさんが猫を捜索するためにおこなった"あらゆる手段"について、小菊路さんは「出会いのときに路地裏で挟まっていたので、街中の路地裏を探したのだと思います」と物語の裏設定についても教えてくれた。
そんな猫との再会の場面には、思わずBGMを脳内再生してしまう読者も多いだろう。小菊路さんがその場面に最もふさわしいと感じた楽曲は、ホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」だという。ぜひ、思い思いのBGMを想像しつつ、作品を読んでほしい。
取材協力:小菊路よう(@TheeKick)
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