「走る=健康」じゃない!?ランニングブームの落とし穴

東京ウォーカー(全国版)

2009年は、皇居ランを始めとする空前のランニングブームだった。今週末行われる東京マラソンでも、参加希望者の倍率が8.9倍と高倍率だったほか、女性誌でランニング特集が組まれ、オシャレなランニングウエアを着た女性ランナーも増え続けている。理由は“痩せたい”“健康になりたい”などさまざまだが、一方で慣れない運動に体を壊す人も増えているという。

話を聞いたのは、東京クリニックの笹沼仁一先生。一般的に「走ること=健康」だと思われがちですが、逆に体を壊す人も多いとは、一体どのような理由なのでしょうか。

「特に女性ですが、ダイエット目的で節食をされた方は、骨密度や体の筋肉量が低くなりがち。その状態の人が急にランニングを始めることで、膝や腰を痛める例も多くあります。走る前に自分の筋肉量を把握することが重要ですね」。

また、平日の夜18時〜21時に約4500人が走っている(※千代田区調べ)人気の皇居ランには、こんな落とし穴も。

「皇居周辺は、車の通行が多いため大量の排気ガスが出ています。排気ガスと紫外線、それにランニングによる激しい運動で、体には活性酸素が発生するんです。活性酸素とは、酸化ストレスと言われ、いわゆる“さび”と呼ばれる体のストレスダメージ度。そのストレスに対抗する“抗酸化力”が備わっていないと、ランニングをしたことで逆に健康を損なってしまうんです」。

ランニングをしたことで、逆に体がさびてしまうなんて恐ろしい! それでは、走らない方がいいんですか?

「そんな事はないです! 適度な運動は、体はもちろん、心にもいい影響を及ぼす事があります。現に走っている方の“気持ちが前向きになった”“毎日が楽しい”という声もよく聞きます」。

やっぱり、ランニングは健康の第一歩のよう。それでは、体を壊さず楽しく走るためにはどうしたらいいでしょうか?

「今は、ランナーズドックといって、骨の丈夫さや筋肉量を計測したり、身体の抗酸化力が分かる体内環境チェックが増えてきています。気軽に受けて自分の体を知って、ケガのないようにランニングを楽しんでください!」。

意外と知らない落とし穴があったランニング。正しい知識をもって、健康に一歩近付けるランニングを楽しもう。【東京ウォーカー】

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